消費税引き下げよ 第51回3・13重税反対全国統一行動|全国商工新聞

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経済危機を乗り越えよう

 第51回3・13重税反対中央各界代表者集会は13日、参院議員会館内で開かれ、14団体56人が参加。消費税10%への増税に加えて新型コロナウイルスの感染拡大が、日本経済や中小業者の営業を直撃する中で、求められる対策など議論を深めました。集会に先立ち、財務省と国税庁、総務省に要請しました。

減税求める声広げて 中央各界代表者集会

参院議員会館内で開かれた3・13重税反対中央各界代表者集会

 全労連の黒澤幸一事務局次長が主催者あいさつ。「消費税増税に加えて新型コロナウイルスの感染拡大が中小業者の営業に大打撃を与えている。必要なのは融資ではなく、直接支援と消費税5%への引き下げ。春闘で賃上げを要求し、働く人々の懐を温めて持続可能な生活が送れるようにしよう」と訴えました。
 立教大学の芝田英昭教授が記念講演を行い、「政府の『全世代型社会保障』改革が高齢者の負担増を主眼にしている」ことを明らかにし、後期高齢者医療保険をはじめとした社会保障制度の大改悪が狙われていると強調。対抗軸の改革として、医療や介護保険の「応能負担」による保険料負担や、企業の規模別累進負担などを提起。全ての人が健康で文化的な生活ができる年金制度改革の方向を指し示しました。
 参加者からは「国会内で党派を超えて消費税減税を求める声が広がっている。マレーシアのように政治の力で引き下げは可能」(湖東京至税理士)、「所得税の総合累進課税と法人税の超過累進税率を適用すれば41兆円の財源が生まれる」(浦野広明税理士)、「若い人を中心に国保料・税の滞納や差し押さえ問題での相談が相次いでいる。社会保障制度解体を許さないための共同行動を広げる」(中央社保協)、「免税農家はインボイス制度の導入で取引から排除されるのではと不安が広がり、複数税率では複雑な実務が押し付けられている。インボイス制度を導入させない運動を強めたい」(農民連)などの発言がありました。
 全商連の中山眞常任理事は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、政府の経済対策第2弾を厳しく批判。「特別融資の無利子期間はわずか3年。据え置きは5年としながら4年目からは1.91%の基準金利を適用させる。0.003%で資金を調達して600倍の利子をつける。こんなひどい話はない。消費税引き下げと併せて抜本的な対策を求め、危機を乗り越えたい」と決意を語りました。

納税困難「対応する」 国税庁 税務行政改善求め

 国税庁に対し、新型コロナウイルス感染症への対応として、4月16日とした申告期限のさらなる延長や、期限延長に伴う窓口の人員確保などを求めました=写真。庁側は「さらなる期限の延長は、現時点では明言できない」と話し、「安心して申告できる環境整備を行う」と回答しました。
 「新型コロナが広がる中、税務調査で呼び出し文書が届いた」「集団申告の延期を申し出たところ、『対応できない』と税務署から言われた」など、この間の事例について質問。「現在、呼び出しなどは控えているのではないか。税務調査は、控えた方が良いということは理解できる」「集団申告について、国税庁から『対応しないように』といった通達などは出していない」と答えました。
 国税庁の「新型コロナウイルス感染症の発生に伴い納税が困難な者への対応について(指示)」通達(3月9日付)について、「業者の実態を十分把握し、個々の事案で判断する。税務署で相談してほしい」と述べました。
 「部材が入らず、現場が止まり、仕事がなくなってしまう。消費税10%で『やめてしまおうか』と考える人もいる」(東京土建)、「中小業者は消費税を転嫁できない。コロナでお客さんも来ない。10%増税、コロナでとどめを刺されかねない」(東商連)など、業者の実態を伝え、柔軟な対応を求めました。
 また、税務調査に当たって、税務運営方針の堅持や事前通知の徹底、税務関係書類へのマイナンバー(個人番号)記載を強要しないことなどを要求。「税務調査は、納税者の理解と協力の下、適切に実施する」「個人番号の記載の周知や指導はするが、記載がないことで不利益はない」と回答しました。

地方税の申告延長を 総務省 納税緩和も検討中

 総務省では、地方税について新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた徴収行政の改善やマイナンバーカードの普及・拡大をやめることなどを要望しました=写真。
 国税庁は9日付で「新型コロナウイルス感染症の発生に伴い納税が困難な者への対応について」(指示)を発出し、「納税の猶予」や「換価の猶予」など納税緩和措置を適用することを指示。総務省にも同様の対応を求めたところ、「(指示文書を)今、調整・検討している」ことを明らかにしました。
 さらに地方税の申告期限の延長など柔軟な対応を求めました。
 徴収問題では「自治体の現場では、滞納問題で職員1人が1千件を担当し、きめ細かな対応ができていない」「『悪質』という基準があいまいで、滞納問題を自治体に相談にも行けない。強権的な差し押さえではなく、住民の生活を丸ごと受け止め、生活や事業を再建できるように対応してほしい」と訴えました。
 マイナンバー制度について、公務員への所持を強制しないことに対し、「強制ではない」と回答。顔写真や指紋などの生体情報と共通番号をひも付けしようとしている問題について「省として生体認証は考えていない」と回答したものの、経済産業省主導の研究会に総務省も参加していることを認め、生体認証によって国民監視を強める策動が明らかになりました。

「指示文書」で納税猶予 税務署に要請

 群馬・前橋民主商工会(民商)などでつくる3・13重税反対統一行動前橋地区実行委員会は16日、新型コロナウイルス感染症による納税緩和措置の周知と柔軟な対応を求め、前橋税務署に要請しました。
 民商の大野豊文会長は、新型コロナの影響が幅広い業界・業種に広がり危機的状況になっていると訴え。国税庁の「指示文書」(9日付)に沿って、納税者への親身な相談と対応を求めました。応対した総務課長は「指示文書」は署員に周知・徹底していると話し、「納税相談には新型コロナの影響を聞くことから始め、納税猶予、換価の猶予の順に進め、親身に対応する」と回答しました。
 新型コロナが終息するまで滞納処分の中止を求めましたが、「一律には中止しない」と回答。参加者は「営業実態を聞き、指示文書で対応すれば、滞納処分はできない」と追及しました。
 また、4月13日に延期した集団申告は、「例年通り対応する」と回答しました。

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