イベント中止、ツアーも自粛
新型コロナの影響は全国に広がっています(関連ページ)。中国からのインバウンドに特化し、貸し切りバスを配車・運行している埼玉県の業者・Sさんは、「仕事がなくなり資金繰りが不安」と支援策を求めています。
「2月1日以降の仕事はゼロ。1台も動いていない」と配車表を示しながら話すSさん。バス12台、常用ドライバー11人を雇用しています。収入はゼロでも、ドライバーの給与は全額補償しています。3月から雇用調整助成金を受けても、給付は6割。その差額の他に、車庫代、乗務員の仮眠室5部屋の賃料、ドライブレコーダー・デジタルタコグラフのリース料、GPS通信費12台分、保険料月額30万円、事務所賃貸料などの固定費は容赦なく出ていきます。
「資金繰りに困るのは目に見えている」と、政策金融公庫に借り入れを申し込み、月に70万円になる社会保険料、厚生年金についても年金事務所に分納を申し入れました。
「分納は認められ、支払いは待ってくれますが、延滞金まで取られる。これは何とかしてほしい」とSさん。
「直ちに乗務員を解雇してしまった会社もありますが、うちは一人も切っていない。イベントも中止、国内ツアーも自粛と、政府の方針を受け、影響はどんどん広がり、収束の見通しも立っていない。雇用調整金も給付率80%程度に上げてほしい」と訴えます。千葉県成田市近郊にはツアーバス会社が100社ほどあり、影響は地域経済全体に及びます。
「SARS(重症急性呼吸器症候群)の時も深刻でしたが、2カ月半で戻った。『アビガン』など新薬も出て投与も始まっていると聞きます。収束に向けたきっちりとした対処は当然ながら、不安を煽るだけでなくプラス情報もきっちり出してほしい」とSさんは力説します。