断念させる先頭に
観光振興の財源確保策として宮城県が導入をめざしていた宿泊税について、村井嘉浩知事は2日、導入を当面見送ることを明らかにしました。県議会2月定例会に提出していた関連条例案を取り下げます。
新型コロナウイルスの感染拡大で県内宿泊施設の予約取り消しが相次いでいるにもかかわらず、村井知事はこの間、「宿泊税は今ではなく来年だから」問題はないという強硬姿勢で、「導入中止・延期」を求める県民世論に背を向けていました。
こうした情勢に、宮城県商工団体連合会(県連)はじめ広範な県民・諸団体からの猛反対の声が広がりました。また、新型コロナウイルスの感染が拡大し、県内の宿泊施設の予約キャンセルが4万件を超えるなど、事態の深刻化に伴い同条例断念に追い込まれたものです。
宮城県連は、県内宿泊業者だけの問題でないと2月7日、14団体とともに「宿泊税条例提案を行わない」ことを求める緊急要請を行うとともに、宿泊業者を励まし反対運動の先頭に立ってきました。三戸部尚一会長は、「知事は、コロナウイルス感染拡大による影響を最終決断の理由にしましたが、この間の宿泊事業者やみやぎおかみ会の皆さんの粘り強いたたかいと、私たち民商・県連、そして県民の怒りが知事を追い込んだものだと思います」と指摘。「知事は宿泊税導入を諦めたわけではない。仙台市も県に便乗して宿泊税導入を検討しているので、きっぱり断念させるまで頑張りたい」と決意を語りました。