消費税率10%への引き上げ後の景気悪化が、昨年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値で明らかになりました。
物価上昇分を差し引いた実質成長率は前期(7~9月)比1.6%、年率換算で6.3%のマイナスとなりました。市場の予測を上回る大幅な落ち込みです。
海外のマスメディアも「日本が犯した三度目の過ち、消費増税が経済に打撃」(「ウォール・ストリート・ジャーナル」2月18日)、「安倍晋三(首相)は、最大の経済的愚策を繰り返した」(「エコノミスト」2月17日電子版)と報じました。
10~12月期の個人消費も前期比で2.9%のマイナスとなり、5%から8%に増税された直後の2014年4~6月期のマイナス4.8%に迫りました。
昨年10月以降、百貨店の売上高は対前年比で減り続け、老舗や地域のスーパーが相次いで閉店しています。政府が打ち出したキャッシュレス決済へのポイント還元も、実施した店舗の61.3%が売上高への「効果が不十分」と答えています(キャッシュレス推進協議会の調査)。
住宅や自動車購入への減税策も実施されましたが、住宅着工戸数も新車販売台数も昨年10月から12月まで前年同月比でマイナスの連続です。
「景気悪化を招く」という度重なる国民の警告を無視し、消費税増税を強行した安倍政権の責任は重大です。
さらに、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が景気悪化に追い打ちをかけています。「中国からの部品が止まって工事がストップ」(設備)、「原材料を変更せざるを得ない」(繊維)、「宴会中止に」(飲食)など、深刻な影響は観光関連のみならず、幅広い業種・業界に及び、地域経済にも打撃を与えています。
間髪を入れずに、こうした実態を示し、固定費や金利・保証料への補助を自治体に要請した民商・県連に中小業者の期待が高まっています。
地域経済と中小業者の危機打開へ、直ちに消費税率を5%へ引き下げるとともに、政府・自治体が従来の枠を超えた緊急対策を打ち出すべきです。