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  トップページ > 税金のページ > 消費税 > 全国商工新聞 第3144号11月17日付
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「青色指導」と称し不当調査 跳ね返す=岩手・一関

 仲間とともに不当な税務調査とたたかっていた岩手・一関民主商工会(民商)のHさん=建築=は10月16日に調査を終え、2015年度の消費税の納税義務を消滅させました。建築大工特有の受注形態である「直営方式」(施主から各工事業者が直接受注する方式)を認めさせたものです。「これまで続けてきた商売の形を否認させるわけにはいかない」と一歩も引かない姿勢で調査に臨んだHさんと、それを支えた民商の仲間が実現した大きな成果です。

 「初めての税務調査で、税務署のやり方に気がめいったが、民商の仲間が支えてくれたおかげで乗り越えられた。同業者にも民商への入会を勧めたい」とHさんは笑顔を見せています。
 税務調査は、だまし討ち的に強行されました。一関税務署から「青色申告の指導をしたい」と連絡が入ったのは今年4月21日。3日後にHさん宅を訪れた調査官は2011年から3年間の税務調査を始め、関係資料を全てコピーして税務署に持ち帰りました。
 あまりに強引なやり方にショックを受けたHさんは、仕事仲間の民商会員に相談し、「すぐに民商に行った方がいい」とアドバイスを受け、5月初めに相談し入会。藤野秋男税対部長らに励まされ、税務署とたたかうことを決意しました。
 5月19日に1回目の税務署交渉を行い、だまし討ち的な調査を厳しく追及するとともに納税者の理解と協力を得て調査を進めるように要求。調査官はその場で謝罪しました。
 その後、Hさんは納税者の権利や記帳について学習し、調査のときには自らの考えを堂々と主張。調査官の対応も大きく変化し、丁寧な対応が取られるようになりました。調査回数は実に11回にも及びましたが、その過程で税務署がなぜHさんを狙ったのか、目的が見えてきました。
 Hさんは、発注者(施主)が元請けとなり、自らは手間工事のみを担当する「直営方式」で仕事を受注していました。しかし、当時の顧問税理士は2013年度について、Hさんが元請けで関連業者を下請けとして使うという「元請け」で受注しているとして申告書を作成。収入は3600万円を超え、消費税の課税業者となりました。
 税務署はここに目をつけ、2011年、2012年度の申告についても「直営」から「元請け」に修正させ、多額の消費税を追徴しようとしたのです。
 税務署の狙いを察知したHさんは、民商の仲間の支援を受けながら自らの取引が「直営」であることを示す「住宅工事フロー図」を作成したほか、発注者からの証明書を証拠として調査官に提出するなど機敏に反撃。調査官は2011年、2012年度の申告書の正当性を認めざるを得ず、2013年度の申告も直営方式で計算し直すことを認めたことで、収入は1000万円以下となりました。
 しかし、調査官は調査終了の直前になって「Hさんの受注形態が直営方式だと思うが、上司が元請けと判断した場合は消費税が追徴されるかもしれない」と話し、減価償却費についても一部を否認。Hさんは「上司が認めないなら、その上司と直談判するまで」と奮起し、9月25日の一関税務署交渉で、署長宛の請願書を提出した上で、自らの受注形態を認めるように迫りました。
 税務署は2011年から2013年の受注形態は「直営方式」であるとして、Hさんの主張を全面的に認めました。調査は売り上げの計上時期の誤りを一部修正し、所得税の少額追徴で終えました。

全国商工新聞(2014年11月17日付)
 

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