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  トップページ > 税金のページ > 不公正税制 > 全国商工新聞 第3284号10月16日付

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不公平税制正して財源に=税理士・湖東 京至さん 菅 隆徳さん

輸出大企業に消費税を還付
 安倍首相は、今回の総選挙で消費税増税分の使途変更を国民に問うと説明しました。「とんでもないごまかし」と批判するのは湖東京至税理士(元静岡大学教授)です。
 消費税導入後、不公平な消費税の実態を明らかにしてきました。
 その一つが輸出大企業への還付金制度です。輸出企業が製品を輸出した場合、消費税が還付されるものです。
 湖東税理士が最新の決算書に基づいて推計したところ、日本を代表する製造業12社だけでも年に8311億円の還付金があることが明らかになりました(表1)。トヨタ自動車、日産、マツダ、ホンダと自動車産業が名を連ねています。

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 「国税庁の統計(15年4月から16年3月)でも還付金は約5兆4000億円。そのうち輸出還付金が約90%としても大企業には4兆8600億円が還付されている。税率が上がるほど還付金が増えて喜ぶのは日本経団連などの財界。税率引き上げの狙いの一つはここにある。それをおくびにも出さずに教育だ、子育てだと、ごまかし続けている」と湖東税理士は増税の狙いを指摘します。
 税率引き上げで輸出大企業は還付金が増える一方で、中小業者にとっては赤字でも、価格に転嫁できなくても、課税売り上げが1000万円を超えたら納めなければならない“営業破壊税”。5%から8%への増税で消費税納税額は約1・6倍になり、滞納する事業者が急増しました。

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 家計も直撃し、GDP(国内総生産)の6割を占める個人消費は8%への増税後、37カ月も低迷し続け(上の図)、増税前に比べて1世帯あたり月2万円も落ち込んでいます。働く人々の家計を支える実質賃金も安倍政権の3年間(12年から15年)で5%減少。消費税が10%になれば5兆円の大増税で、中小業者にも家計にも日本経済にも大打撃を与えるのは必至です。しかも自公政権は10%への引き上げと同時に複数税率と、インボイス(適格請求書等保存)方式の導入を決定。500万社の免税業者が取引から排除されかねません。
 一方、小池百合子氏が代表の「希望の党」は10%への引き上げ凍結を選挙公約に掲げました。
 しかし、消費税そのものには反対せず、まずは「社会保障全体で放漫経営になっていないか見直す」と言及。社会保障をさらに削り込むことを示唆しました。

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優遇税制やめ応能負担こそ
 消費税に頼らなければ国の財政は本当に成り立たないのか−。「租税特別措置による大企業の優遇税制を正して適切に課税すれば財源が生まれる」(表2)と強調するのは菅隆徳税理士です。

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 企業の研究開発に対する税額控除や、子会社などから受け取る配当金を利益から除く「受取配当益金不算入」、国内の子会社の所得を親会社の所得として合算して法人税を減税する「連結納税」などを廃止し、法人税率を消費税導入前の水準(42%)に戻せば「13兆円を超える財源が生まれる」と試算しています。
 さらにもうかっている企業ほど負担が軽くなっている法人税の仕組みを改め、所得税のように「超過累進課税」を導入することを提案。応能負担原則の徹底で現在、10兆円の法人税の税収は約25兆円を確保できると話しています。「大企業への優遇税制を廃止し、応分の負担を求めれば消費税10%への引き上げは必要ない」と菅税理士は主張しています。
 消費税に反対し、税率10%への引き上げをきっぱり中止することが中小業者の切実な願いです。今度の総選挙でそのことを公約に掲げる政党を選ぶことが中小業者の営業と暮らしを守る道につながります。

全国商工新聞(2017年10月16日付)
 

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