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  トップページ > 税金のページ > 不公正税制 > 全国商工新聞 第3102号1月13日付
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2014年度税制改正大綱 中小業者に負担増

 自民党・安倍内閣は12月24日、2014(平成26)年度税制「改正」大綱(以下、大綱)を閣議決定しました。消費税増税など国民・中小業者に負担増を押し付け、さらなる大企業支援を進めようとしています。

際限ない消費増税へ
簡易課税 みなし仕入れ率縮小

 大綱は、消費税増税の4月実施を既定路線に、庶民への負担増が鮮明に。一方で、「日本再興戦略」に基づく「民間投資を活性化させる税制改正大綱」(昨年10月1日)を据え、産業競争力強化法の制定による規制緩和と大企業向け税優遇を強く打ち出したのが特徴です(表1)。

表1

 復興特別法人税の1年前倒しの廃止で8000億円も減税する一方、復興増税で中小業者には13年度の申告から所得税に2.1%を上乗せし(25年間)、住民税は14年から1000円を上乗せ(10年間)します。
 さらに交際費(飲食)の50%の損金算入や、成長戦略の要として企業に支援を集中する「国家戦略特区」を創設し、設備投資などを対象に法人税を軽減する内容となっています。
 中小業者が利用する消費税の簡易課税制度のみなし仕入れ率を縮小します。今後の継続的な縮小と免税点の引き下げに結び付く可能性をはらんだ問題です。
 軽減税率は、消費税率10%時に導入すると明記。複数税率による事務負担増の問題と、インボイス制度導入につながる恐れがあり、減収によるさらなる税率引き上げの口実にされかねません。
 政府は5.5兆円もの補正予算を組みましたが、消費税増税に備えた大型開発中心の経済対策です。国民・中小業者は単価や賃金が上がらないまま物価高・原料高に苦しめられ、アベノミクスによる景気回復の恩恵などは実感できていません。すでに「増税後の需要の低下を考えると設備投資も給料アップも従業員の新規採用もできない」(建設)、「消費税3%アップを控えて、一部取引先より3%コストダウンの要望が出てきている」(電気・情報通信機器)など増税への不安の声が高まっています(中小企業庁発表の昨年10〜12月期の中小企業景況調査)。
 所得税や住民税の減税を伴わない消費税率の引き上げは過去に例はなく、際限のない消費税増税に道を開く、税制「改正」大綱は認めるわけにはいきません。「消費税増税の中止こそ最大の景気対策」との世論と運動を大きく広げましょう。

猶予制度大幅見直し
納税環境整備

 大綱は、納税環境整備について、猶予制度の大幅な見直しを行おうとしています(表2)。

表2

 税務署長の職権で認められていた換価の猶予に、滞納者の申請により分納や差し押さえ延期を可能とする規定が盛り込まれました(15年4月から)。
 「納税の猶予」や「換価の猶予」の要担保徴取額の最低限度額を100万円(現行50万円)に引き上げます。
 納付方法については「納税猶予の期間内で、滞納者の財産状況・納付能力から見て、合理的・妥当なものに分割できる」とし、納税の猶予(期間延長含む)の申請者に、申請書の他に、猶予該当事実や財産目録・収支状況を明らかにする「一定の書類の添付」を求めています。
 「猶予の不許可事由の整備」をはじめ、「申請に係る補正手続き」や「猶予の取消事由の追加」などが盛り込まれ、納税の猶予の適用が抑制される恐れもあるだけに注視していくことが必要です。
 大綱では、救済制度の見直しも明記。税務署の更正・決定処分に不服がある納税者は、税務署への異議申し立てを経ずに、国税不服審判所に直接、審査請求できることとしています。
 一方、改悪国税通則法の実施を念頭に、これまでの異議申し立てを「再調査の請求」に変質させようとしています。

全国商工新聞(2014年1月13日付)
 

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