マイナンバー対策 特設ページ
マイナンバー(個人番号)制度が2016年1月から始まりました。「個人情報が漏えいするのでは?」「国民監視にならないか?」などの不安が広がっています。
民商・全商連も参加した交渉では、関係省庁から「マイナンバーは記載がなくても不利益はない」と回答を得ています(2016年9月16日 全国中小業者団体連絡会 政府交渉)。→詳細は記事ページへ
しかし、政府広報や一般マスコミ報道が不十分で、役所窓口をはじめ、取引先、勤務先から番号提示を求められ、「これって義務なの?」「断れないの?」と疑問の声があがっています。
事業主の方は、従業員などの個人番号を預かれば、運用・管理する義務を負い、費用負担の増大や労使関係への影響が懸念されます。
①マイナンバー(個人番号)制度の目的や狙い、
②年末調整や確定申告対策などもしっかり学んで賢く対処しましょう。
「マイナンバーを提出しない旨の宣言書」をご活用ください
・元請けや取引先などに対し、「こういう理由だから提出しません」と説明するのが難しい
・役所に「マイナンバーを出さない理由は分かった。それを活字で提出してほしい」と言われた
このような場合に「マイナンバーを提出しない旨の宣言書」をご活用ください。
被雇用者の方へ
「勤務先から個人番号を出すよう言われた」「勤務先のマイナンバー管理が心配」という方は、
①マイナンバーを提供しないことを理由とする不利益な取扱や解雇などは法律違反・民事上無効であること、
②事業主のマイナンバー取扱いについての苦情相談は、個人情報保護委員会のマイナンバー苦情あっせん相談窓口で対処していること、などをご確認ください。……詳しくはこちらへ
今年の年末調整や来年の確定申告からマイナンバー(共通番号)の記載が求められます。番号漏えいやプライバシー侵害につながるなど多くの国民・中小業者から不安の声が広がっています。各地の民主商工会(民商)では学習会を開くとともに税務署と交渉し、番号が記載されていなくても書類は受理し、不利益や罰則もないことなどを確認しています。どんな書類に番号が求められるのか、制度の問題点と対策をあらためて考えます。
①個人番号を管理できる環境にない、もしくは従業員などからの番号提供が困難な場合は、無理に番号を記載せずに、書類を提出しましょう。
その場合は、経過などを記録しておくことが求められています。
②取引先などの関係で、個人番号を管理・運用せざるをえないときは、無理に設備をそろえず必要最小限の費用・労力で対応することを検討しましょう。
③政府ガイドライン――基本方針・取扱規定策定と4つの安全管理措置(組織、人、物理、技術)――
対応が避けられない場合、中小業者にとって過大な事務負担となります。
※「マイナンバー制度緊急シンポジウム報告集」(全商連発行)で具体策を紹介しています。 詳しくは、最寄の民商にご相談ください。
■従業員に番号提示は求めない
千葉・佐原民商 橋澤美枝子さん(めっき設備)
番号管理を行えば、対象は、従業員27人とその家族100人ほどにのぼります。大変な実務です。番号が流失しないようにどうやって管理するのか? パソコン管理では、番号が漏れないようにインターネットから遮断し、専用ソフトの購入も必要になります。
事業者がなぜ従業員の番号管理の義務を一方的に背負わされなければならないのか、納得できないですよね。私は「個人番号カード」を取得しないつもりです。会社としては従業員の個人番号の提供は求めないようにしよう、と夫と話し合っています。
■番号制度の廃止に向けて利用を制限
埼玉県連会長 菊池大輔さん(建築設計)
個人番号を付けて個人情報を国が一元管理するということは、個人情報が丸裸にされるということなのです。
希望すれば個人番号が記載された住民票が交付されますが、これは個人情報がだだ漏れする原因にもなります。例えば自動車の売買や不動産賃貸などで必要になる住民票に番号が記載される可能性があります。茨城県取手市では、自動発行の住民票に個人番号が誤記載されました。
個人番号を提供しないと宣言すればするほど制度は形骸化します。私は親会社1社には職人の個人番号は通知するけれど、他の取引先には通知しない。それだけでも効果はあると思います。
◆税金分納 自主計算で消費税分納を認めさす
広島・福山民商 川崎則雄さん(精肉店)
「延滞税も低くなり、心配の種が一つ減った」――。山崎さんは、2015年6月1日が納付期限となっていた2014年度分消費税の一括納付が困難になり、換価の猶予を申請。約45万円の消費税のうち未納だった30万円を3カ月で支払う納付期限の猶予が認められました。
■融資経営 計画書づくり学び融資実現
群馬・高崎民商 砂盃高志さん(造園)
公共工事を受注したことから、職人への給与支払いなど運転資金が必要になった砂盃さんは、民商に相談。アドバイスを受けながら事業計画書を作成し2015年8月、日本政策公庫に融資申請。申し込んだ融資300万円が実現し、「夜遅くまで親身に相談に乗ってくれてうれしかった」と砂盃さん。