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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第2956号 12月20日付

税金 徴税攻勢
 

追徴課税7年分200万円を11万円に 強迫的税務調査に抗議=北海道・空知

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納税者の権利と自主記帳・自主計算を力にして、不当な税務調査をはね返した工藤さん(左)とこづえさん。右は支部長の佐藤さん

 税務署員2人が突然来店し、かばんやごみ箱まで調べる人権無視の税務調査で悪質と決め付けられ、7年で200万円の追徴課税を迫られた北海道・空知民主商工会(民商)の工藤靖博さん=中華料理。納税者の権利と自主記帳・自主計算を力に民商と一緒にはね返し、11月22日に約11万円の修正申告で終了しました。「民商はすごいところだ。これで安心して商売が続けられる」と喜んでいます。

 工藤さんは9月27日、定休日なので一人で厨房の掃除をしていました。そこに突然、札幌北税務署員の名刺を出す2人の調査官が来店(管轄は滝川税務署)。厨房に入り電話近辺を物色しレジ近くの引き出しを勝手に開けました。
 工藤さんにレジを開けさせ、銀行員の名刺や冷蔵庫に張ってあった出前回収用の伝票、仕入れ先の納品書を押収しました。
 また、空のごみ箱を見て、ごみステーションまで行き、捨てたごみ袋を開けて調べました。
 さらに2人の調査官は自宅のごみ箱を調べ、通帳と証券すべてを出すように指示。妻・こづえさんのバッグの中身まで全部出させました。
 調査官は、壁に張ってある2人の子どもの結婚式の写真を見つけ、「いくらかかった。職業や相手の職業は」と質問。「その仕事なら100万円くらいためられるか」と言い放ちました。こづえさんは「調査と何の関係があるのか」と不安になりました。
 翌日も02年度から10年度までの領収書、請求書や通帳のコピーを段ボール12箱に入れて持ち帰りました。
 10月に入り調査官は「帳簿は信用できない。青色の権利だけは失わないよう滝川税務署長に頼んであげる」「こちらの推計は、最大で7年さかのぼる。本税だけで200万円くらいになる」と脅しました。
 恐ろしくなった工藤さんは、知り合いから「民商に相談しな」と言われて入会。11月1日、民商芦別支部長の佐藤春一さん=中華料理、副支部長の上西五三男さん=家電販売、橋場輝光事務局長の立ち会いの下、押収した書類を戻させ、「人権無視の違法・不当な調査だ。許せない」と抗議しました。また、工藤さん夫妻はこの時初めて調査官の身分証明書と質問検査書を確認。調査の指示は札幌国税局で、署を越えた広域調査だったことが明らかになりました。
 工藤さん夫妻は民商の「自主計算パンフ」で「納税者の権利」を学習。11月12日に滝川税務署へ、15日に札幌国税局と交渉し、違法・不当調査の経過を訴えました。
 後日、2人の調査官が工藤さん宅を訪れ、工藤さんの自主計算を認め、2年分で約11万円ほどの修正申告で終了しました。
 国税局、税務署交渉に参加した長谷川晃会長は「本人が先頭に立って頑張ったことが良かった」と振り返っていました。

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