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  トップページ > 活動のページ > 全国商工新聞 第3202号2月8日付
 
 
活動 全中連
 

中小業者支援の拡充を 実態示し省庁と交渉=全商連も加盟する全中連

 「消費税10%への引き上げは絶対反対」「マイナンバー(共通番号)制度は中止」―。省庁交渉では中小業者の切実な要求をぶつけ、重要な回答を引き出しました。地元国会議員にも要請し、消費税が転嫁できずに苦しんでいる中小業者の実態などを告発。増税中止を求めました。

【経産省・中企庁】小規模基本法具体化へ条例制定を促す
 経済産業省・中小企業庁では、中小企業庁が中小業者の立場に立った政策を進めることを強く求めたうえで、消費税増税、中小企業支援補助金、信用保証協会の保証割合の縮小を行わないこと―などを要望しました。
 消費税増税にともなう軽減税率導入について庁側が「できる限り支援したい」と答えたのに対し、参加者は「身銭を切って消費税を払っている中小業者の実態を知っているのか」と詰め寄り「中小企業庁として政府に意見を上げるべきだ」と迫りました。複数税率にともなう軽減策として予算化されているレジ購入費への補助については「一定の要件が合えば行きわたるようにしたい」と答えました。
 小規模基本法成立に伴う自治体での基本計画づくりについて、小規模事業者の実態を把握した上での計画づくりとともに、後継者への直接的な支援制度の研究を要望。庁側は「自治体に中小企業振興条例、小規模企業振興条例の制定を求め、県段階では半数ぐらい制定されている。引き続き促していく」とし、事業承継の支援については「勉強させてほしい」と回答しました。
 中小企業支援の補助金については、不透明な商工会議所や商工会支援になっていると指摘。地域の有力企業ではなく小規模事業者が直接使える支援に改めること、また不採択の場合、その理由を明示するよう求めました。
 信用保証の縮小問題では、「きめ細かいサポートをする」とする一方、「与党から見直しを提示されている」と、縮小を否定しませんでした。

【内閣府】「マル優」に番号不要を周知徹底する
番号提示なくても行政手続きは可能
 マイナンバー(共通番号)制度の中止とともに、行政に提出する書類に個人番号が不記載でも受理すること、事業者や従業員に多大な負担となる本人確認を強制しないこと、目的以外での民間利用が拡大しないように監視・指導を強めること―などを求めました。
 担当者は「源泉徴収票や支払通知書などには個人番号の記載が不要になった」ことを説明した上で、「従業員が番号提示を拒否した場合、番号を空白のままに書類を出さざるを得ない」「高齢者など番号提示が困難な場合は未記載でも行政手続きは可能」と答えました。
 個人番号の民間利用については「取引関係など民間同士の間でも理由がないのに番号を渡してはいけないし、聞いてもいけない。法律の目的以外では個人番号を使うのは違法」と明言。「勤務先から家族の番号を教えなければ解雇すると言われた」「国や自治体から補助金をもらっているので、番号記載がなければ手当が出せないと言われた」などの事例についてただすと、「労働関係で番号がないことを理由に何かができないというのは通常はありえない」と答えました。
 要請団はすでに少額貯蓄非課税制度(マル優)を利用している人が番号の提示がないために継続が打ち切られた事例を取り上げ、問題点を追及。「こちらにも報告があり、金融庁も問題にしている。継続の場合、番号提示は必要ないので、金融庁からあらためて周知している」と説明しました。
 「個人番号の取り扱いについて相談や不服がある場合は個人情報保護委員会(TEL:0120-95-0178)に申し出てほしい」と話しました。

【総務省】鳥取判決生かし差し押さえ慎重に
自治体職員の徴収姿勢の適正化図る
 個人番号通知カードを受け取っていない市民に対して、愛知県稲沢市が「住民票を消除する場合がある」という通知を送った問題を取り上げました。省側は「通知カードを取りに来なかったことで、ただちに住民票が消除されることはない」と明言しました。
 「自治体窓口が個人番号の代行記入をできるのか」という質問には「番号法施行規則第3条」を法的根拠に挙げ、「代行記入はできる」との認識を示しました。
 地方税の換価の猶予について、「自治体職員が制度の存在を知らず、申請書も常備していなかった」と実態を告発すると、「総務省としても周知に努めており、しっかりと対応すべき」との認識を示しました。
 滞納整理の問題では「鳥取児童手当差し押さえ訴訟の判決は非常に重い」と述べた上で、「自治体によっては横柄な態度で対応する職員がいると聞いている。適正な執行を求めたい」と答えました。
 一方で徴収業務について「規模の小さい自治体などでは滞納整理の業務に困難を抱えており、機構などとも適切に連携していく」と問題発言。参加者は「大都市になればなるほど、自治体は簡単に滞納整理機構に回しているのが実態。総務省として、実態を把握すべき」と強く求めました。

【国税庁・財務省】申請は番号なしでも不利益なく受理
番号なくても税務関係書類は受け取る
 国税庁ではマイナンバー(共通番号)の運用や事前通知の徹底などを要望。共通番号については「税務書類への番号記載を強要せず、不記載でも収受し、不利益な処分をしないこと」を求めたのに対し、「意図的に番号を漏えいした場合以外には罰則も不利益もなく、番号がなくても受理する」と回答しました。
 また、マル優(少額貯蓄非課税制度)利用者に、金融機関から共通番号が必要という文書が送られている問題では「新規契約の申し込みには番号が必要。継続で提出する非課税貯蓄申込書については限度額の範囲内であれば提出の必要はない。また、2016年の税制改正大綱では番号記載を不要にするとなっている」と答えました。
 税務調査問題では「法令にのっとった事前通知と丁寧な説明を心がけ徹底するよう周知している」と答えましたが、参加者からは「事前通知なしの突然の訪問が横行し、事前通知11項目も徹底されていない」「初めから納税者のことを疑ってかかるような税務署員がいる」など、法令とかけ離れた実態告発が相次ぎました。
 消費税の問題では「お客さんから受け取った消費税分を含む代金は、売り手のもの。それを預り金と広報するのはおかしい」と追及しました。
 また、財務省には消費税率10%への引き上げ中止や軽減税率導入中止などを求める要望書を提出しました。

【金融庁】融資円滑化へ注視
部分保証を広げるな
 年度末を迎えるに当たり、財務内容、担保・保証人などにとらわれず、中小業者のニーズにあった資金供給にきめ細やかに対応することや、信用保証制度を縮小しないよう求めました。
 年度末の円滑な資金供給については、2月に金融機関のトップと交流し、円滑な資金供給を行うよう求めると答えました。
 「経営者保証に関するガイドライン」を、小規模事業者にも一層適用するよう改善を要望。「金融機関との意見交換会でも周知徹底と積極的案内を促しているが、小規模の活用例が上がってこないのが実情。要因を確認していく」と話しました。
 信用保証協会の保証割合(一律8割)を縮小する問題について、「中小企業政策審議会の金融ワーキンググループで、これから具体的な制度設計を議論する。小規模企業に円滑な資金供給が確保されるようなバランスのとれた制度となるよう、注視する」と回答。参加者は「保証割合が縮小されれば、金融機関のリスクが増え、貸し出しを抑制することにつながる」と警鐘を鳴らしました。
 個別案件4件が持ち込まれ、「説明が十分でない金融機関については、指導をする」と約束しました。

【国交省】誤解なく周知する
社保加入指導是正を
 5年連続の公共工事設計労務単価の引き上げにもかかわらず、「請負単価が1人1万円にも満たない」実態を告発するとともに、毎年行う公共労務費調査で下層下請けや民間も含めた実態調査を求めました。また、元請けとの力関係で決まる請負単価は「市場任せ」であることや、今後、マイナンバー提出を現場に入る条件にしないよう求めました。
 5人以下の個人事業者にも社会保険への加入を求めている国交省パンフについて、「一律に求めているものではない。誤解のないよう周知徹底したい」と回答しました。

【厚労省】番号扱わなくても認可取り消さない
労働保険事務組合への番号の強要やめよ
 労働保険事務組合がマイナンバーを取り扱わない場合、組合の認可が取り消される旨を各地の労働局が口頭で通知している問題を追及。労働基準局労働保険徴収課は「マイナンバーを取り扱わないことを理由とした認可の取り消しは行わない」と明言。「厚労省から各労働局への指導が不十分で、誤解を与えたことはおわびします」と謝罪しました。
 また、昨年10月28日の交渉で回答した「マイナンバーの記載がなくても書類は受け付ける」「地域によって取り扱いに差はない」こともあらためて確認。3月に各地で開かれる年度更新説明会などに向けて、厚労省が各労働局に対して"マイナンバーを取り扱わないことによる認可取り消しはない、記載がなくても書類は受け取る"との方針を指導せよとの要請には「各労働局に周知したい」と回答しました。
 静岡労働局が昨年10月15日付で各労働保険事務組合に宛てた事務連絡で「番号法(マイナンバー)の取扱い等についても適切に監査することとなります」と記したことについては、「監査の対象とするかどうか、今後考えないといけないところ」と述べ、静岡労働局の事務連絡が厚労省の方針と異なることを認めました。

全国商工新聞(2016年2月8日付)
 

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