国民不在の自民総裁選
改憲・大増税阻止の運動大きく

全国商工新聞 第3331号10月8日付

 先日行われた自民党総裁選で、安倍首相が3選されました。話題となったのは「カツカレーを食べた人数と票数が違う」など、およそ政党らしくない内容で、国民の生活や、政治に求めるものとは全く次元の異なる内容でした。
 一政党の党首選びでありながら、実質的にはこれから3年間の総理を決める選挙であるとして、一部のテレビ報道などは連日報道していましたが、政策論争を避けた安倍首相の対応もあり、国民の関心も決して高くはありませんでした。
 しかし、再選された安倍首相は、「全身全霊をかけて任期を全うする」「いよいよ憲法改正に取り組む。国民のために一致協力して、新しい国をつくろう」と自民党国会議員に呼び掛け、秋の臨時国会に9条改憲案を提出する意向を表明。総裁選の最中にも直後にも、来年10月の消費税増税は必ず実施すると明言しました。
 各種世論調査では、国民の多くは、政治の優先課題として「憲法改正」をあげておらず、安倍首相のこの執念は異常としか思えないものです。しかも、その首相の意向に沿わない者は、排除することが自民党内では当たり前のことになりつつあり、「政治の退廃」として問題になっています。
 さらに、首相にとって都合の良い数字だけを並べて「景気は上向いている」とする政府の説明と、景気回復の実感がない多くの国民との乖離は大きく、消費税増税を強行することは、「誰のための、何のための消費税増税か」が、問われることになります。
 総裁選の最中に、台風21号に続き、震度7を計測した北海道胆振東部地震が発生しました。多くの国民の前に、災害大国である日本の姿と同時に、この国の「自然災害への備えと災害後の対応の不十分さ」がまたもや明らかになりました。
 国民不在の自民党政治をこのまま続けさせることは許されません。改憲・大増税阻止の運動をさらに大きくし、「国民のいのちと暮らしを守る政治」を取り戻すために、全国で草の根の対話と運動が今こそ大事になっています。
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