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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第3073号6月3日付
 
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生活保護法が国会で審議 改悪許さぬ運動今すぐ広げよう

 生活保護法改正法案(「改正案」)が国会で審議されています。「改正案」は、これまで違法とされてきた窓口で保護申請を拒否する「水際作戦」を合法化し、扶養義務者の扶養を事実上要件化するなど、社会的弱者である要保護者に過重な負担と圧迫を強いるという驚くべき内容です。憲法25条に定められた国民の生存権を奪う前近代的な改悪であり、国連社会権規約委員会の勧告にも反し、断じて認めることはできません。
 現行の生活保護法(現行法)は、生活困窮という申請者の実情と人権を尊重する意味からも、口頭での申請を認めていますが、「改正案」では、書面申請と収入や資産など添付書類提出を要件にしています。これは、申請意思表示を受ければ、行政機関が要否判定義務を負うという考え方を捨て去り、国民の申請権を侵害するものです。
 現行法は、扶養義務者の扶養を要件にせず、仕送りなどがなされた場合に収入認定し保護費を減額する仕組みですが、「改正案」は、申請者や親族などに対して収入や資産の報告を求め、勤務先にまで収入の照会ができるとしています。
 「書類が必要」とか「親や子ども、兄弟に面倒を見てもらえ」などと法律要件にないことを持ち出して申請を受け付けない違法な「水際作戦」は、札幌市や北九州市などで要保護者が餓死や孤独死、自殺に追い込まれる事態を招いてきました。
 「改正案」は、こうしたことへの反省ではなく、件数で0・5%にも満たない不正受給事例とバッシング報道などをテコに、要保護者と生存権擁護の世論を萎縮させ、保護費の抑制と受給者減少を狙った制度改悪です。
 生活保護制度は、生存権の根幹です。「改正案」が成立すれば、必要な人が申請の意思表示もできなくなり、命に関わる事態が続発すると予測されます。さらに、国民健康保険や年金など社会保障制度全般のレベルダウンを引き起こし格差と貧困が広がることは必至です。
 今年度予算で計上された生活保護基準引き下げを許さず、「改正案」を廃案に追い込み、社会保障制度大改悪を撤回させる運動を緊急に広げましょう。

全国商工新聞(2013年6月3日付)
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