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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2842号 8月11日付
 
私たちの主張
 

「メタボ健診」は見直し改善を

 4月から、いわゆる「メタボ健診」として始まった特定健診・保健指導に、地域住民の苦情や自治体からの見直し要請が高まっています。
 「メタボ健診」とは「腹部に内臓脂肪がたまると、脳卒中や心筋梗塞など心血管疾患を起こしやすい」という学説から、生活習慣を改善し、医療費の削減にも役立てようと国が導入したもの。しかし地域の実情を十分に踏まえず、画一的な制度設計のため、実施から半年もたたない段階で、さまざまな矛盾が広がっています。
 問題の一つは、自治体の財政難に拍車をかけていることです。この制度の費用は国と県が3分の1を補助する仕組みですが、国が昨年末に示した集団健診などの補助単価案は、多くの自治体で実額に届かず、持ち出しになっているのが現状です。またこうした財政難が、従来の保健事業の縮小・廃止をもたらしています。受診率の目標が達成できなければ、後期高齢者医療制度への拠出金の増額を強いられるというペナルティーがあります。そのため、自治体は「メタボ健診」を保健事業の中心に据えざるを得ず、これまで実施してきた「がん検診」や「人間ドック」の受診者に対する補助を削減しています。
 健診項目も減らされる傾向が広がっています。
 例えば、従来の住民基本健診には、慢性腎臓病の早期発見に有効とされる血清クレアチニン検査がありました。しかし、自治体独自の予算措置が取れず、検査の実施を見送る動きが強まっています。総じて、「メタボ健診」が進むなか、自治体健診は縮小し、「早期発見・早期治療による健康の増進」という保健事業の本来目的が後退する悪循環になっているのです。
 いま大切なのは、この「メタボ健診」中心の制度設計の下で、集団健診を受ける地域住民に「受益者負担」を押し付ける策動に反撃することです。
 そもそも「メタボ健診」の導入で、がん検診の受診率が落ち込むなら、国の「がん対策推進基本計画」に反します。
 また人工透析などが必要な慢性腎臓病患者が全国で200万人に上るなか、必要な検査を受けられないという事態は許されません。
 民商・全商連は、助け合い共済の活動を土台に、中小業者のいのちと健康を守り合うべく、集団健診活動を推進していますが、自治体健診の改善と制度見直しを大いに迫ろうではありませんか。
   
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