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  トップページ > 全商連の活動 > 全国商工新聞 第3303号3月12日付
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米軍機タンク落下事故 深刻な被害が=青森・上十三民商

全面禁漁で休業強いられ

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被害実態と対策を話し合う東北町班の班会

 「宝の湖を汚すな」─。米空軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF-16戦闘機が離陸直後にエンジン火災を起こして燃料タンク2個を小川原湖に落下させた事故(2月20日)で深刻な被害が続いています。多くの破片や油膜が湖面や湖底に飛び散り、漁業者や卸業者が全面禁漁で休業を強いられています。

補償など政府に対応求め
青森・上十三民商東北町班 班会で実態出し合う

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凍てつく小川原湖を進む水中処分隊員(2月28日)海上自衛隊大湊地方隊HPより

 取引先からのキャンセル応対に追われる業者もいる中、青森・上十三民主商工会(民商)の東北町班は2月23日、7人が班会に参加。落下事故の被害状況を出し合いながら(1)原状回復(2)全面禁漁が長引かないように早期解決を望む(3)直接被害に対する十分な補償(4)風評被害を払しょくするための安全宣言-を日米両政府に求めることにしました。
 小川原湖はシジミやシラウオ、ワカサギ漁などが盛んで国内屈指の漁獲量を誇ります。東北町班の会員は半農半漁、買い付け中卸業者などが自然豊かな恵みを生業にしています。

米軍よりも生業を守って

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 米空軍、航空自衛隊三沢基地が隣接する地域。会員らは湖面で戦闘機などの低空飛行や爆音の空気振動を感じながら作業を強いられ、今回の事故で小川原湖漁師組合員280人が被害を受けています。
 ある会員は「事故当時、タンク投棄場所から離れた場所で操業。20日の水揚げは漁協で買い取ってくれたが、21日は漁が全面禁止となり困っている。早く燃料タンクと破片などを回収し、安全宣言を出し、安心して漁ができるようにしてほしい」と語りました。
 鶴居光浩さん=シジミ漁=は「シジミは1日35キロと漁獲制限はあるが金額にすると4万円くらい」と1日平均の被害額を算出。またシラウオ、ワカサギ漁をしている沼辺敬一さんは「1日6万円〜7万円になるし、網引きを手伝ってくれている人の収入も、雇用も途絶えている」「継続雇用ができるのかが心配。漁ができる期間も3月15日まで。その後は禁漁になる貴重な時期なのに」と訴えます。
 小川原湖のシジミブランドを買い付け、仲買卸をしている沼辺勝則さんも、「取引先からキャンセルの電話の対応で大変」と語っています。別の会員は「2017年12月に地理的表示保護制度(GI)認証されたばかりなのに、さらに期間が長引くと営業が成り立たないし、風評被害が心配だ」と訴えました。
 班会では共通して「小川原湖上空は飛ばないでほしい。もし直線距離で15キロ先にある六カ所村の原子燃料再処理サイクル施設で落下・墜落事故したらとんでもないことになる」と危険性も出されました。
 浜田克彦さん=シジミ刺し網・定置網=は「沖縄の米軍ヘリ部品落下事故で、(国会で)死んだ人がいるのかとヤジを飛ばした前内閣府副大臣の認識と同じ。とんでもない!」と住民の命や生業よりも、軍事を優先する米軍の横暴と、それを容認する日本政府に怒りの矛先を向けました。
 根源の一つにある、海外と比較しても著しく不平等な日米地位協定にも疑問や憤りも。「米軍が直ちに破片も油膜も回収すべきなのに自衛隊が肩代わりしている。米軍に事故原因があっても日本が25%の賠償金を分担するなど税金の無駄遣いではないのか」と「税の使い方、取り方」に言及する会員も。そうした中で「消費税10%とんでもない」「(税率を)5%に戻すべき」と意見を出し合いました。

9条守る署名推進を決意
 班会では、今回の米軍事故も教訓に「憲法9条に自衛隊を明記して『戦争する国』になれば米軍や自衛隊の訓連飛行も激増して事故も多発しかねない」「増税で商売や生業が奪われる」と、「安倍9条改憲NO!全国統一署名」に全員がサインし、広めることにしました。
 民商では、▽情報の全面開示▽補償まで借入金返済や納税の一時凍結-なども視野に他団体と共闘して市町村、漁協への要請も検討しています。

全国商工新聞(2018年3月12日付)
 

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