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  トップページ > 全商連の活動 > 全国商工新聞 第3054号 1月14日付
 
年頭のあいさつ
 

仲間を増やし共同広げて増税・改憲を阻止しよう=岡崎事務局長に聞く

 昨年末の総選挙を受けて発足した第2次安倍内閣は、消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)参加、原発再稼働などを強行し、さらに憲法改悪にも手を付けようとしています。また、改悪国税通則法施行後、初の確定申告を迎えます。激動する情勢の中で、民商・全商連はどうたたかうのか、中小業者の営業と暮らしを守る運動の課題と展望について全国商工団体連合会の岡崎民人事務局長に聞きました。

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― 新しい年を迎えました
 明けましておめでとうございます。多くの会員・商工新聞読者の皆さんが大変な厳しさの中で新年を迎えられたことと思います。

― 昨年の総選挙は
 選挙結果は、悪政を推進し国民・中小業者の願いを裏切り続けた民主党に厳しい審判となりました。自民党が過半数を獲得しましたが、政党が乱立する中、比較第1党に圧倒的に有利な小選挙区制度の弊害によるものであり、民意が反映されていません。自民党は小選挙区・比例区ともに、得票数・率を減らしており、国民が信任したわけではありません。
 有権者は最後まで投票先を模索し、前回より1000万人以上も棄権し、投票率は戦後最低となりました。こうした模索が、政治の根本的転換や中小業者の要求実現をめざし、国会内外で協力してきた日本共産党の支持に結び付かなかったことは残念です。

― 国民の願いを実現するには
 この間、消費税増税反対、原発ゼロ、TPP参加反対、オスプレイ配備撤回など、国政の中心問題で「一点共同」が広がり、世論を変え、政治を動かす力を発揮しています。従来の保守といわれてきた人たちとの共同が発展し、政治に関心の低かった人たちも行動に立ち上がっているところに特徴があります。
 自民党が、国民多数の意思に反する道を強引に進めば、今回の民主党の二の舞いとなります。
 国民のたたかいが世論を変え、国民多数の声になっていることに確信を持ちたいと思います。7月の参議院選挙では、財界中心、アメリカ言いなりの悪政を断ち切るたたかいを広げたいと思います。
 そのためにも要求の一致に基づく共同と、仲間の力を大きくすることがますます大切になります。

― 消費税増税中止と納税者の権利は
 消費税増税中止は中小業者にとって死活にかかわる問題です。
 自民党・安倍総裁は、2014年4月から消費税率を8%に上げるかどうかは「4〜6月の(経済成長率などの)数字をみて」、秋に判断すると述べるなど、世論と運動の高まりを警戒しています。
 それだけに、消費税廃止各界連絡会と共に国民共同を広げ、署名と対話で「消費税増税は中止できる」の世論と運動を思い切って広げます。
 今年は、国税通則法が改悪されて初めての確定申告です。税務当局は全業者の「記帳義務化」に向けた説明会を開催し、納税協力団体や税理士会との連携を強めながら、納税者の組織化を進めています。
 より強権的な税務調査が行われることが予想される中、各地の民商では、税務署と交渉し、乱暴な調査や徴収をやめさせています。「税金の民商」の本領発揮がいっそう求められます。
 納税者の権利を守るために、班・支部で集まって「安く、楽しく、安心」の自主記帳・自主計算の活動を強めます。「納税者の権利憲章」(第2次案)を力に、税務行政のあらゆる面に適正手続きを貫くよう求め強権的な徴税攻勢とたたかいます。
 今月29日の中小業者決起大会(日比谷公会堂)に切実な要求と署名を持ち寄りましょう。

― 地域経済振興が求められますが
 TPPに参加すれば、関税の撤廃や外資への市場開放で、食料や医療、制度融資、公共工事の地元発注など、地域経済を支えるあらゆるルールが破壊されます。
 総選挙で自民党は「聖域なき関税撤廃が前提ならTPP交渉参加に反対」と公約し、自民党候補者の64%が「反対」と表明(「毎日」)しています。
 TPP反対の一点で、JA・農協や医師会など広範な団体・個人と中小業者が連携を強め、参加阻止の国民共同を全国各地で広げます。
 金融円滑化法の廃止に反対し恒久化を求めるたたかいは、直面する課題であり、緊急に世論と運動を広げる必要があります。
 中小業者の経営環境を改善する政策方向を示した「日本版・小企業憲章(案)」を活用し、広範な団体との懇談、協力・共同を発展させます。地域に資金と仕事を循環させる景気対策を迫ります。住宅リフォーム助成制度や官公需の地元優先発注、制度融資をはじめ運動で実現してきた制度、国保など国民皆保険制度や助け合い共済を守り抜きます。
 地域経済振興条例は、全国100自治体に広がっています。集まって、話し合い、相談し、助け合う活動こそ民商運動の原点です。班・支部で「商売を語る会」を開き、まちづくり、業種別対策を強めます。

― 原発ゼロの運動は
 「デモに初めて参加」という人を含め、原発反対の運動は大きく広がっています。首相官邸前で始まった行動は、全国各地で電力会社への要請や地域集会として広がり続けています。
 各地の原発直下に活断層が存在する可能性が次々と明るみに出ています。
 点検・停止中の原発再稼働に反対し、原発ゼロをめざす署名と共同行動を広げます。
 原発被害の完全賠償をめざすとともに、その非課税化や「二重ローン」解消、店舗・工場の再建を促すあらゆる補助制度を活用し、被災業者の経営再建をめざします。
 地域の宝を生かし、再生可能エネルギー自給の可能性と、中小業者の役割発揮の展望を探究します。

― 平和・民主主義も大事な年に
 改憲を掲げた政党の衆議院議員が3分の2になったことは大変危険な状態です。集団的自衛権の行使や、憲法9条を改定して自衛隊を「国防軍」にするなどの主張は、国民の願いに逆行し、国際関係も悪化させることになります。憲法の精神を日常的に生かす取り組みを広げ、憲法改悪には広範な団体・個人とともに草の根から反対の運動を広げます。
 基地のない日本、沖縄をめざし、オスプレイの配備撤回と普天間基地即時撤去、辺野古の新基地建設反対のたたかいを強めます。
 総選挙では小選挙区制度の害悪が明確になりました。多様な国民の声・要求を封殺する衆議院の比例定数削減阻止へ共同を広げ、民主的な選挙制度をめざします。

― 仲間づくりも期待されていますが
 昨年秋の運動では商工新聞読者を増勢にすることができました。
 中小業者の力が正当に発揮できる社会の実現には、道理を掲げ、団結を強め、国民共同を推進する民商・全商連が大きくなることが大切です。
 これまで積み重ねてきた数々の成果や実績、仲間の温かさのある民商をぜひ地域の中小業者に知らせていただきたいと思います。
 4、5月に、民商・県連の三役、共済会理事長、婦人部長、青年部長を対象に全国8会場で地方別活動交流会を開きます。60年を超える歴史の中で初めての試みであり、全商連第50回総会から1年の折り返し点で運動を総合的に検証・交流し、発展させる機会になります。
 商工新聞読者30万人の回復・突破、会員20万人からの反転攻勢をめざしています。「民商はいいよ」「商工新聞はためになるよ」の紹介運動にご協力ください。
 自主共済を守り、命と健康を守る活動を進め、全会員と配偶者の共済加入をめざします。
 婦人と青年の経営意欲を高め、所得税法第56条の廃止と地位向上をめざします。部員を増やし、すべての民商で婦人部・青年部の結成・再建をめざします。
 「商売を続けることが社会貢献」であることに確信を持ち、中小業者が希望の持てる社会をめざして力を合わせて頑張りましょう。

全国商工新聞(2013年1月14日付)
   
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