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2009年7月19日 全商連第2回理事会決議
 
全国商工団体連合会(全商連)は7月18、19の両日、都内で第2回理事会を開き、次の決議を採択しました。

経済危機を生きぬく大運動と消費税闘争を推進し、拡大の高揚で情勢を切り開こう


一、はじめに

 第1回理事会以降、原油・資材高騰から経済・金融危機へと経営環境が激変するなかで、中小業者として生きぬこうと力を合わせて奮闘してきました。
 融資獲得の対策会議や交流会を力に「借りて商売を続けよう」と各地で困難を突破してきました。国会内集会では政府と政策金融公庫に融資での制度と運用の違いを告発し、自らの言葉で改善を迫りました。
 大企業と直接交渉し、乱暴な下請け切りの是正を迫るとともに、集積地の下請け調査にも取り組み、まち工場を守れの世論を喚起してきました。
 違法・不当な徴収行政と対決し、「生きることが優先する」という立場から納税の猶予や国保料(税)の減免運動を大きく展開してきました。このなかで「差し押さえには社会的妥当性が必要」「租税債権より労働債権が優先することもあり得る」と大臣が答弁する状況にまで追い込んできました。
 この1年の運動は、民商・全商連のかけがえのない真価を発揮し、国民全体の困難打開につながる成果を広げてきました。
 いま大切なのは、「集まって、話し合い、相談し、助け合う」という活動の原点に立ち返り、要求運動と組織建設を一体として推進することです。
 この秋に開く全国会長会議、来年5月の第49回総会を見据え、経済危機を生きぬく大運動や消費税闘争を推進しつつ、攻勢的な組織建設に挑戦します。

二、若干の情勢と発揮された民商運動の役割

1、中小業者・国民を切り捨て大企業支援に徹した経済対策

 未曾有の経済・金融危機のなか、広範な中小業者・国民は大変な苦難に直面しています。
 深刻な消費不況に加え、設備投資が急落し、町工場の作業音や料飲街の明かりが消える事態です。
 大企業による労働者の首切りも派遣から正社員へと広がり、下請け切りや過酷な単価たたきが中小業者に襲いかかっています。
 麻生内閣は「経済対策」として莫大な予算を投入したものの、その内容は大企業の支援に徹し、健全な経済循環をめざすものになっていません。
 「エコ」を名目に自動車や家電のかつてない減税や補助を実施しましたが、省エネ効果は乏しく消費の先食いとなっています。また、整備新幹線や高速道路網などの大型公共工事を復活しましたが、採算は度外視され、地域経済振興との整合性の取れた社会資本整備ではありません。
 月例経済報告や日銀短観などで政府は「景気は底を打った」と宣伝していますが、中小業者・国民の雇用や暮らし、営業の実態とはかけ離れ、疑問や批判が広がっています。

2、世論と運動で切り開いた成果

 構造改革路線の破綻が鮮明になるなか、「つぶされてたまるか」と奮闘し、従来の枠を超えた多彩な成果を広げています。
 緊急保証制度の改善を迫るなかで、「10年返済、据置期間2年」の自治体融資制度を29都道府県に広げてきました。また政策金融公庫に小口融資など本来の役割発揮を粘り強く働きかけ、セーフティーネット貸付の上限金利の設定と追加利下げを実現し、借り換えにも道を開いてきました。
 公正な取引ルール確立の運動に取り組むなか、下請け代金未払いを解決し、公共事業を前倒し発注させ、コンビニの見切り販売制限は「不当」とする排除命令を出させてきました。
 従業員を守ろうと頑張る中小業者の役割を認めさせ、雇用を維持するための助成金や奨励金を拡充・創設させてきました。
 重税を払いきれないなかで納税緩和措置の適用を要求し、経済的理由での納税の猶予とともに、換価の猶予や滞納処分の停止の承認、固定資産税などの延滞金免除を広げてきました。
 社会保障のためでも消費税増税に反対という世論と運動を高め、国民の7割近くが消費税増税に反対し、政府に社会保障費2200億円の削減を中断させたことも貴重な成果です。

三、切実な要求を実現し危機打開の多彩な運動を

1、行動を起こし、実利実益の獲得を

 切実な要求実現こそ民商運動の原点です。「苦難に応えてこそ民商」と構えをつくり、連合会の強みを発揮して知恵を出し合い、運動しつつ学び合うなかで、中小業者の存在意義を認めさせるなら実利実益を獲得し命さえ救うことができます。
 激動の時代に「借り換えや据え置きは当然」と権利を主張し融資の実行を迫ります。
 「待っていても売り上げは上がらない」と腹をくくり、励まし合って、技術・技能や独創性、温もりあるサービスを磨き、顧客や取引先の拡大に足を踏み出します。
 「食えば払えず、払えば食えず」の実態を知らせ、事業と生活に必要な資金を守るために、納税者の権利を主張してたたかいます。
 瑕疵担保責任や駐車禁止規制、料飲連座制など行き過ぎた官僚的規制の是正を迫り、費用や時間、精神的な負担を軽減させます。
 こうした困難を共に解決する行動を要求あるものを先頭に起こします。会内外の中小業者への訪問対話を強め、相談会活動に取り組みます。

2、経済危機を生きぬく政策提案の強化を

 「緊急休業補償制度」の創設などを盛り込んだ「危機突破・5つの緊急要求」を積極活用し、自営商工業・家族経営の支援に焦点を当てた施策の実現を要求してたたかいます。
 すでに、雇用保険が適用されない失業者への支援として、厚生労働省が国の基金を使い最大月額12万円の生活費支給を制度化しました。この制度を中小業者に広げるなら、地域経済を土台から支える力になります。
 中小業者の労働保険料軽減へ、13兆円もためこむ特別会計の活用を要求します。また、社会保険の料率引き下げを求めます。
 中小業者の仕事確保を支援する官公需政策への抜本的転換を要求するとともに、公共投資や経済危機対策を名目にした新たな交付金を「固定費補助」やプレミアム付商品券などにも生かすよう働きかけます。
 貸し渋りを許さず制度融資のいっそうの拡充や金利・保証料の補助、緊急保証の全業種適用などを迫ります。
 下請け切りや単価たたきの横暴を許さず、下請振興基準の厳守や大企業への違反金制度の創設などを要求します。
 経営環境改善と経営力強化を統一して推進するなかで、運動の成果や知恵・工夫を第16回中小商工業全国交流・研究集会(10月31日〜11月2日・京都)にすべての県から持ち寄ります。

3、消費税増税を阻止し、応能負担の税制確立を

 貧困と格差が深刻化するなかで、国や自治体で人権侵害の徴税攻勢が吹き荒れているだけに、能力に応じて公平に負担するという原則を税制に確立することが求められています。
 最悪の大衆課税である消費税増税に断固反対し、消費購買力を高める起爆剤として減税を要求してたたかいます。総選挙の結果を踏まえた新署名で重税反対の世論と運動を喚起し、国民大集会(11月8日)に持ち寄って新政権に突きつけます。消費税廃止各界連絡会の活動を強化し、1000万対話・署名の達成に貢献します。
 人権無視の調査や徴収を許さず、納税者の権利学習と自主記帳・自主計算活動を推進します。
 「納税緩和措置」を権利として積極活用し、違法・不当な差し押さえを許さない運動を強めます。
 払いきれない国保料(税)の引き下げや減免制度の拡充、保険証の無条件交付を迫ります。固定資産税や都市計画税、償却資産税の負担軽減へ運動を強めます。
 所得税法第56条が中小業者と家族専従者の人権を認めない前近代的な制度であることを告発し、廃止を求める地方議会の意見書採択を広げます。

4、憲法を生かし、平和・民主主義の発展を

 主要8カ国によるラクイラ・サミットで、核兵器廃絶の促進を合意するなど「核兵器のない世界」の実現が国際政治の現実的課題になっています。
 来春のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向け、原水爆禁止世界大会を節目に「核兵器のない世界を」署名を1会員10人分めざして推進します。
 米海兵隊のグアム移転名目の日本負担、米軍再編と一体となった沖縄の新基地建設・強化、ソマリア海賊を口実にした海外派兵の恒久化に反対する運動を強めます。
 憲法審査会の始動を許さず、憲法の平和的民主的条項の全体を経営と暮らし、権利を守る運動に生かします。「憲法守れ」の署名を推進します。
 政治・外交・経済などあらゆる面で日本がアメリカいいなりとなっている根底に安保条約があります。来年の「安保改定後50年」にむけ、安保条約廃棄の世論を高めます。
 民意を切り捨てる衆議院の比例議席削減を許さず、企業・団体献金の即時禁止や政党助成金制度の廃止を要求します。

四、新たな前進をめざす攻勢的な組織建設を

1、「増やしてこそ民商」の気概もった組織建設を

 いま多くの中小業者は、仕事を確保し、資金をつなぎ、家族や従業員が暮らしていけるよう悪戦苦闘していますが、役員も例外ではありません。事務局員も減少傾向のなか、日々持ち込まれる要求解決や組織を支える実務に追われています。
 しかし、増やしてこそ民商です。歴史に学べば、民商は諸困難に直面するたびに「仲間を増やして要求実現」と拡大の独自追求に力を注いできました。同時に、時代の変化とともにいっそう多様化する要求解決を会員と読者の拡大に結実させることが求められています。
 今日、読者現勢が30万人を割り込むなど厳しい到達にあります。暑い時期から奮闘し、早急に回復するなかで、拡大運動の成果を全国会長会議に持ち寄ります。激動する情勢を主導的に切り開く構えをつくり、すべての組織が年間増勢をめざします。

2、毎月の持続拡大と商工新聞の積極活用を

 切実な要求実現と結び、「減らさず増やす」毎月の持続拡大を推進します。
 融資獲得や借り換え、商売の交流が切実な要求となり、国保料(税)や住民税の減免・猶予、労働保険の手続きなどへの対応も含め、広範な中小業者が相談先を求めています。
 これに応え攻勢的な対話運動に足を踏み出し、地域で話題になるよう宣伝を広げます。「民商が地域でどう役割を発揮しているか」をパンフやニュースで会員に、そして拡大対象者や相談者に思い切って知らせる活動に力を注ぎます。毎月の目標を明確にして、行動日を決め、力を集中した統一行動を展開します。
 「制度学習大綱」改定を生かし、すべての組織が新会員歓迎学習会を定例化します。
 商工新聞は、「あったか民商」がどう切実な要求を実現してきたかを毎号、生き生きと伝えています。各地で商工新聞を交渉や要請に活用し、苦難の解決や制度改善に生かしています。また機関会議や学習会で、情勢の大局や運動の教訓・知恵を学んでいます。商工新聞をよく読み、紙面の魅力で読者を増やす活動を強めます。
 全商連は、持続拡大の推進と、民商の「かけがえのない役割」をどう押し出すかの実践交流を目的とした「拡大運動全国交流会」を開催します。
 9月1日を基点に11月末まで「週報」で集約します。8月から来年5月末まで、商工新聞宣伝紙を1部10円にします。

3、「目標と計画」を持った民商建設と班・支部の強化を

 「基本調査」結果には活動の到達が表れています。その分析と検討を進めるなかで、「目標と計画」を持って組織活動の改善と前進をめざします。
 「目標と計画」の中に持続拡大を位置づけ、年間増勢の力にします。また、自治体対策を盛り込み、支部活動を通じた要求実現につなげます。機関会議の定例開催や役員づくりを強め、運動発展を保障する組織運営を前進させます。会員参加を強め、商工新聞の組織配達・集金を向上させます。
 班・支部で要求運動に取り組むことが民商運動のスケールを広げ、深い確信や豊かな教訓を導き出すことにつながります。会員の活動参加を広げるなかで、班・支部を強め、悩みや要求を解決できる組織づくりを進めます。
 学習教育活動を強め、「運動しつつ学び、学びつつ運動する」活動スタイルを広げます。

4、助け合い共済の規制を許さず命と健康を守る運動を

 全商連共済会の第20回臨時総会は、保険業法規制とのたたかいの到達を確認し、制度改善を含む新たな規約・運営規定を審議決定しました。この総会の成功に向け、全会員加入の取り組みが広がったことは、助け合い共済が一人ひとりの会員にとって、いかにかけがえのないものであるかを示しました。
 2011年の保険業法見直し期限に向け、助け合い共済を守る運動を強めます。広範な自主共済や労働組合共済との共同行動を前進させ、すべての県で「共済懇話会」結成をめざします。
 今日、民商会員の共済加入を高めることは、(1)助け合いの輪を広げ、(2)保険業法規制を許さない力として団結の水準を高め、(3)民商・全商連と共済会の一体感を強めます。民商への入会と同時に共済会への加入を勧め、全会員加入を促進します。
 営業破壊と健康破壊が一体で進む実態を明らかにし、早期発見・治療のための集団健診活動を強めつつ、自治体健診の改善を働きかけます。

五、業者婦人・業者青年の対策強化を

 世論と運動で所得税法第56条の廃止を求める意見書を1県67市町村に採択させてきました。
 この広がりをつくる上で婦人部は大きな力を発揮してきました。業者婦人の地位向上めざし、自家労賃要求を前面に暮らしと営業の見直し運動を推進します。
 第11回全国業者婦人決起集会(10月8日)の成功と100万人署名の推進を支援します。
 一人ぼっちの業者婦人をなくし、仲間づくりが進むよう、役員会の定例開催を援助します。
 青年部は1部員30人分を目標に「経営安定と地位向上」署名を推進しています。
 新規開業や事業継承への意欲も高まっているだけに、業者青年に魅力ある民商建設と青年部の活動強化が求められています。
 第3回業者青年学校では、民商・全商連運動の歴史や理念を学び、運動のなかにこそ展望があることへの確信を深め合いました。
 世代を超えた交流を通じて、青年の知恵や感性を運動に生かします。若手会員・後継者、青年部OBなどに、経営対策や商工交流会、民商まつりなど力を発揮できる場をつくります。
 全青協第34回総会(11月22日)を1万5000人の部員で迎えるために援助します。

六、運動財政について

 (略)

   
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