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2009年3月29日 全商連第4回常任理事会決議
 
 全国商工団体連合会は3月28、29の両日、東京・目白の全商連会館で第4回常任理事会を開き、次の決議を採択しました。

経済危機を生きぬく大運動と消費税闘争を推進し、国民本位の政治・経済の実現を

一、はじめに

 この4カ月間、世界的な経済・金融危機が進行し、急速な派遣・下請け切りに直面するなか、「融資獲得、仕事確保、消費税増税阻止、年間増勢」を呼びかけた第3回常任理事会決議に基づき旺盛な運動を展開してきました。
 借りて商売を続けようと融資獲得に力を尽くし、税金の滞納や返済の遅れ、多重債務などの困難を突破し融資を実現してきました。小口融資の要求に正面から応えるなか、緊急保証の対象業種を拡大させました。制度融資で期間延長・ゼロ金利・利子補給などの成果を広げる一方、元本返済猶予にも道を開いてきました。

 売り上げの激減に対し、自ら仕事を生み出す努力をするなかで、公共事業の前倒し発注や小規模工事希望者登録制度の拡充、リフォーム助成制度の創設・復活などを実現しました。製造下請け調査に取り組み、マツダ本社と交渉するなど大企業に切実な要求を突きつけました。
 消費税増税に反対し減税を求める運動に草の根から粘り強く取り組み、宣伝・対話や業界団体などとの懇談を進めてきました。班会などでは、赤字でも消費税を納税しなければならない苦難が話し合われ、怒りを力にして40回目の3・13重税反対全国統一行動を成功させました。

 組織建設では、新春から決起集会を開催し宣伝キャラバンにも取り組むなか、融資獲得や自主申告など切実な要求実現を拡大運動に結実させてきました。
 いま、株主への配当を増やしながら、労働者を解雇し、中小業者の仕事を奪う大企業の横暴を断じて許すことはできません。大切なのは、雇用の安定や社会保障の拡充で大企業や政府に責任を果たさせるとともに、中小業者の役割が発揮できるように内需や地域経済を振興しルールある経済社会を確立することです。

 麻生・自公政権は、未曾有の危機を生み出したことに何ら自覚と反省のないまま、依然として大企業・大銀行への公的資金投入を景気対策と称して強行しています。選挙対策の「定額給付金」ばらまきと引き換えに2011年度からの消費税増税に固執しています。また、米軍移転に血税をつぎ込む「グアム移転協定」を結び、ソマリアの海賊退治を口実に新たな海外派兵を強行しています。こうした悪政が国民の願いに逆行しているからこそ、支持率は低迷し政権末期の様相を呈しています。

 力を合わせた要求実現こそ民商運動の原点です。自民党政治と国民との利害対立が深まり、派遣村や「虚業から実業へ」という業界団体の呼びかけが広がるなど国民的な反撃が強まっています。解散・総選挙に追い込み、中小業者・国民が意欲と展望が持てる政治を実現するために奮闘します。

二、要求運動の重点

1、仕事・資金獲得を前面に経済危機を生きぬく大運動を

 人をモノ扱いする大企業と違い、家族や従業員と苦楽を共にし生きぬこうとする中小業者の姿に信頼と共感が広がっています。国民の豊かな暮らしに貢献し、持続可能な社会をつくる上で、中小業者の存在は欠かせません。

 自営商工業・家族経営の役割を見直させ、その支援に焦点を当てた緊急の危機打開策を国・自治体に要求してたたかいます。
 公共投資を生活密着型に思い切って転換し、大企業による官公需の横取りを許さない運動を強めます。

 地域活性化・生活対策臨時交付金を積極活用し、小規模公共工事などの拡充や割増付商品券の発行を広げるとともに、特別交付税の活用による金利・保証料補助を迫ります。
 地域経済振興条例や公共調達条例を制定・活用する運動を仕事おこしに生かします。
 融資を受けることは中小業者の権利です。今後の発注への備えや新事業への挑戦、そして生きぬくために、諸困難を突破してきた運動の到達を生かし、制度改善と資金獲得運動を強めます。生活福祉資金の活用を広げ、保証人など条件緩和を要求します。不当な債権回収や貸しはがしの実態を広く告発し是正を迫ります。

 公正な取引ルールの確立をめざし、大企業の発注計画の開示や下請けへの固定費補助などを要求します。取引の実態を調査し違法行為の是正と下請け業者の救済に取り組みます。下請代金支払遅延等防止法、下請振興基準を実効力ある制度へ改正するよう政府に働きかけます。
 雇用助成制度を活用し、手続きの簡素化や時間短縮、給付期間の延長、事業主への助成など制度改善を迫ります。
 中小業者の経営力を強化するため、商売を語る会や商工交流会運動を推進します。


2、消費税増税を断じて許さず、生活費確保の多彩な運動を

 麻生・自公政権が、税制「改正」法の付則に2011年度中の消費税増税を明記したことは言語道断です。また民主党も財界の意向を受け、時期の違いはあれ消費税増税を公約していることは重大です。
 消費税が引き上げられれば、消費も雇用もいっそう悪化し、中小業者の営業は根底から破壊されます。

 消費税増税を強行しようとする勢力を断じて許しません。消費税闘争を正面に据え、総選挙で増税勢力に厳しい審判を下すために全力でたたかいます。
 すべての班・支部が「消費税増税反対」署名で決起し、宣伝・対話で地域に打って出ます。
 消費税廃止各界連絡会など国民共同で1000万人署名をめざし奮闘します。

 地域各界連を再建・強化し、幅広い著名人の賛同を得る運動や国会・地方議員への要請、広範な団体との懇談、自治体への請願などを推進します。
 いま、貧困と格差が深刻化しているなかで、国や自治体で人権侵害の徴税攻勢が吹き荒れているだけに、能力に応じて税金を負担するという原則を税制に確立し、社会保障を充実させることが求められます。生活必需品から消費税の負担をなくすことは貧困を打開し、「損税」に苦しむ中小業者の負担を軽減することになります。

 人権無視の調査や徴収を許さず、納税者の権利学習と自主計算活動を推進します。納税の猶予を権利として行使し、不当な差し押さえを許さない運動を強めます。
 払いきれない国保料(税)の引き下げへ旺盛な運動を展開し、集団減免申請に取り組みます。この間、中学生以下に国保証を発行させてきた成果を生かし、国保証の無条件交付や減免制度の拡充を迫ります。
 差別医療を許さず、後期高齢者医療制度の廃止法案を衆議院で可決・成立させるよう運動を進めます。


3、助け合い共済の発展をめざし臨時総会の成功を

 全商連共済会は今年25周年を迎えました。目前の臨時総会(6月13日)は、約3年間の保険業法規制とのたたかいの到達点を、民商・全商連共済会の歴史を踏まえて明らかにするとともに、制度改善を含む新たな規約・運営規定を審議・決定します。
 臨時総会の成功に向け、共済会が取り組む統一行動で共に奮闘し、当面、会員加入率80%めざして大きな飛躍をかちとるようにします。

 保険業法規制により、広範な自主共済が解散・廃業に追い込まれ、また保険会社への包括移転を余儀なくされている事態を許すことはできません。助け合い共済の破壊は国民の幸福追求権の侵害です。
 民商・全商連は、助け合い共済を守るため、保険業法の見直しを掲げ、憲法を力に奮闘してきました。その結果、全商連共済は保険業としての届け出や廃業をすることなく、共済金の一部表記を見直すだけで、「制度と組織を認める」と政府・金融庁に表明させたことは貴重な成果です。

 いま、金融の規制緩和や「弱肉強食」を進めた新自由主義の破たんが鮮明になっていますが、保険業法をめぐるせめぎ合いは、2011年の見直し期限に向け、いっそう強まる可能性が高まっています。重要なのは、広範な自主共済や労働組合共済との共同行動を発展させ、助け合い共済に対する規制と干渉、課税強化を断固阻止し、団結権と財産権を守ることです。
 「全商連共済は断じて保険業法に該当しない」という基本的立場を堅持してたたかうとともに、団体自治を強め、全会員で「助ける喜びと助けられる喜び」を分かち合う制度と組織のあり方を引き続き探求していきます。。


4、米軍基地再編強化に反対し、核兵器廃絶運動の前進を

 沖縄に駐留する米海兵隊の「グアム移転」に際し、国外の基地建設費用まで日本の財政負担となる「協定」に調印したことは、麻生・自公政権のアメリカ追随を示すものです。世界の大きな流れは、軍事同盟から脱却し平和の共同体を築く方向に向かっています。グアム移転を許さない署名を進めるなど在日米軍基地強化に反対し、国会で「協定」を批准させない運動に取り組みます。ソマリアの海賊退治を口実にした自衛隊艦船の派遣や武器使用の緩和を許さず、海外派兵の恒久化に反対します。

 2010年春のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向け、被爆国日本から核兵器廃絶の世論と運動を広げます。「核兵器のない世界を」署名を1会員10署名を目標とし、8月の原水爆禁止世界大会までにその半分をめざします。

三、組織建設の重点

1、新たな前進をめざす構えで、攻勢的な組織建設を

 春の運動では、困難打開へ「集まって、話し合い、相談し、助け合う」活動を広げ、力を合わせて3月末増勢をめざす拡大運動を推進してきました。組織の到達は厳しい現状にありますが、全国の奮闘で、今後につながる先進的教訓が鮮明になっています。
 融資獲得や自主記帳の運動に力を注ぎ、また実績パンフや商工新聞を会員・読者だけでなく相談者や拡大対象者にも届けることで民商への信頼を高めてきました。

 班・支部を基礎に目に見え音の出る大量宣伝を、「一人で悩まず民商に」の声かけや紹介運動と結んで広げてきました。商工新聞の紙面の魅力で対話を広げるお試し購読を推進し、きちんと配達する努力を強め読者を増やしてきました。新会員歓迎会や拡大交流会で入会動機や商売を語ってもらい、確信を深めるなかで組織の活力を高めてきました。そして統一行動を「元気に明るく」取り組む創意・工夫を重ね、力を集中した拡大運動を推進してきました。

 こうした前進面を学び確信にするとともに、持続拡大を推進し、「減らさず増やす」を民商の体質にする奮闘が求められます。
 すべての組織が「地域で『かけがえのない民商の役割』をどう発揮していくのか」という構えで情勢論議を深め、新たな「目標と計画」を持った攻勢的な組織建設を推進します。


2、切実な要求実現と結び、商工新聞前面の持続拡大を

 この間、商工新聞を徹底活用することで切実な要求を実現し、商工新聞から情勢や運動の教訓・知恵を学び、確信とする奮闘が広がりました。要求運動と組織建設を一体として推進する要は、商工新聞中心の活動にあります。

 商工新聞読者は民商運動の一番の理解者です。商工新聞を前面にした持続拡大が広がってこそ、会内外の民商に対する信頼を高め、会員拡大の条件も高まります。仲間づくりで退会を減らす努力を強めるとともに、商工新聞を毎週きちんと配達し確実に集金することで購読中止を抑えます。情報技術全盛の時代ですが、民商は商工新聞の配達・集金活動も仲間づくりに生かし、組織の自覚的な規律を高め、地域で日常的に声を掛け合える班・支部建設を手づくりで進めています。「読み、増やし、配達し、集金し、通信を送る」商工新聞中心の活動に、新会員や若手にも積極的に参加してもらうようにします。

 お試し購読の教訓にも学び、商工新聞前面の持続拡大を推進します。
 運動財政を確保する努力を続けるなかで、民商の存在を知らせる大量宣伝を継続します。地域の変化をつかみ、要求実現と拡大運動を結ぶ「なんでも相談会」活動を推進します。09年4月1日を起点に7月末まで、月末現勢と月半ばでの「中間報」で集約します。この期間の商工新聞宣伝紙は1部30円とします。


3、制度学習大綱の改定を生かし、学習・教育活動の抜本強化を

 第48回総会での確認に基づき、4月より制度学習大綱を改定します。その中心点は班長・支部役員を対象にした学習会を充実させ、新会員歓迎学習会への助成措置を新設することにあります。
 情勢の激動に対応した多彩な要求実現や、攻勢的な組織建設を進める上で、会員一人ひとりが困難を解決する力を高め、団結を強めることが大切です。また新会員に、個々の要求解決の実績とともに、民商・全商連の歴史と理念、方針と規約の全体像を理解してもらってこそ、新たな活力は発揮されます。

 役員と団結する「運動の共同の推進者」として、事務局が積極的役割を発揮するためにも、学習・教育活動の系統的・計画的な推進が求められます。今年の事務局員交流会は、県連主催を基本とし、「民商に働く専従者」としての誇りを培い、「組織者」としての政策的・組織的力量や実務能力を身につけ、組織の拡大・強化で激動する情勢を切り開く気概を高めるものにします。

 全商連は、5月に民商・全商連運動の継承・発展をはかるため、「業者青年学校」を開催します。
 「運動しつつ学び、学びつつ運動する」という活動スタイルを、役員と事務局が力を合わせ、婦人部・青年部・共済会を含め、組織全体にみなぎらせるようにします。


4、「目標と計画」を明確にし、班・支部建設の推進を

 「基本調査」を視野に入れつつ、すべての組織が3月末到達に基づいて運動・組織・財政の自己点検を進め、新たな「目標と計画」を持った組織建設を推進します。
 「目標と計画」は、組織勢力での前進をめざす構えを確立します。また切実な要求実現へ、全国的な運動課題と地域の特性を踏まえた自治体対策を統一して推進するものとします。

 機関会議の定例開催や役員づくりで討議を深め、商工新聞の組織配達・組織集金を向上させる実務の改善も進めます。
 要求運動でも組織建設でも班・支部の再建・強化が欠かせません。会員の悩みや要求が、班会や支部役員会から機関会議に反映する体制を確立してこそ、民商の底力は発揮されます。役員会でよく相談し、会員訪問を強めるなかで、会員の自主性に支えられた班・支部活動を推進します。

 地域に責任を持つ支部活動が、「目標と計画」を持って推進できるよう、県連は幹部学校と支部役員学習会を年1回以上開催するようにします。


   
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