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「規制緩和推進計画」の撤回を求める
1995年3月
   村山内閣が3月31日の閣議で、1999年度までの「規制緩和推進計画 」を決定したことに対し、全国商工団体連合会は同日、次の見解を発表しました 。

見 解

 一、本日、村山内閣は、「規制緩和推進計画」を閣議決定しました。その内 容は、ごく少数の大企業の支配力をいちだんと強め、中小業者の営業と生活をい っそう圧迫するものです。私たちは、中小業者・国民が願う、真に豊かな生活の 実現のために、こうした規制緩和の推進を直ちに撤回することを強く要求します 。

 一、政府・財界は、国民に対しては規制緩和は「消費者利益のため」とか「 景気回復のため」などといっていますが、その真の目的は、「自己責任原則と市 場原理に立つ自由な経済社会建設」をかかげ、安全の確保でも生活の確立でも国 の責任を放棄して、「原則自由、例外規制」の方向をすすめることです。すでに 日本は「ルールなき資本主義国」として世界に有名ですが、いちだんとe力ある 者が自由に振る舞え、資金力ある者がいっそう潤う国づくりfをめざしていると いえます。 それは、いま進行している下請単価切り下げ、不況、円高と生産拠 点の海外移転、小売商業・商店街の衰退を含む地域経済の空洞化などを加速させ 、国民生活を豊かにするために欠かせない中小業者へのいっそうの打撃となるこ とは明らかです。

 一、決定された「規制緩和」方針の主要な内容は、第一に、財界の圧力で、 持ち株会社設立の規制を見直す「検討を開始」するとしたことです。「会社の事 業活動を支配することを主たる事業とする」持株会社の設立を認めれば、少数大 企業の支配力をいっそう強化し、日本経済のゆがみを拡大します。か占支配体制 をさらに強める今回の措置は認められません。むしろ、全企業数に占める比率で は0.009%にすぎない大企業200社が、全法人企業の所有株式の25.8 %を所有しているなど、少数大企業に支配力が集中している異常な実態を是正す ることこそ、活力ある日本経済に向かう道です。

 第二に、「大規模小売店舗法」を99年度をめどに「見直す」としたことで す。見直しの基本姿勢が「大店法廃止」の方向であることは繰り返し報道されて きました。 94年5月以降、政府は国会での議論も一切なしに、実質的に法を 骨ヌキにする「運用緩和」の方針・通達を実施し、さらに、地方自治体の条例や 要綱を強力な指導で廃止させてきました。しそれ以降10カ月間、大型店の新規 出店届出件数は、緩和以前の月平均80件からなんと150件へと倍近くも激増 しています。全国各地で中小商店、商店街の営業に壊滅的被害を与えているだけ でなく、まちの経済、環境に大きな影響を及ぼしています。 このような「大店 法」の廃止や大型店出店規制の緩和は絶対に許せません。いま必要なことは、横 暴な出店や事業活動への規制を強化し、中小商店や商店街も繁栄する便利で快適 、だれもが安心して住めるまちづくりをすすめることです。

 第三に、独占禁止法を適用しないカルテル制度を98年中に廃止するとした ことです。これは主に、中小企業・中小業者の組合がその事業として、大企業の 参入や過当競争から組合員の営業を守るために、価格等を協定する行為に対し、 独占禁止法を適用しないこととしてきた措置を廃止するというものです。理髪店 などの料金、営業時間の協定など現在、67件あるといわれています。これらの 制度をすべて廃止することは、中小企業組合の存在価値を大きくそこない、業者 を個々バラバラにして、資本力にものをいわせた企業の進出の条件をととのえる ことにほかなりません。

 いま、中小企業・中小業者は困難な経営環境と立ち向かうために、共同・団 結して組合を結成し、技術開発や生産設備の調整、販路の開拓等を自主的におこ ない、地域経済活性化の核の役割を果たそうとしています。それを支援すること こそ政治であり、その芽をつみ取るとは何のための政治でしょうか。

 三つの緩和措置のほか、金融の規制緩和、輸入拡大、建築制限の緩和、農地 の転用の促進など、決定された1091項目におよぶ緩和事項の圧倒的部分は、 アメリカを先頭にした外国資本と大企業のためのものとなっています。

 大企業への規制を緩和し、その横暴を野放しにして、中小企業は弱肉強食の 過酷な競争の世界に追いやる、戦後の歴史に例のないもっとも冷酷な内閣を断固 糾弾するものです。

 私たちは、中小業者や国民の要求をふみにじった今回の閣 議決定の撤回と、大企業の横暴を促進する規制緩和ではなく国民負担の軽減を重 点とした真の規制緩和の推進を要求します。広範な中小業者、労働者をはじめ国 民各層と力を合わせ、アメリカ・財界中心の政治、経済の仕組みを根本から変え ることをめざして奮闘するものです。
 
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