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  トップページ > 方針・決議 > 全国商工新聞 第3274号7月31日付
 
方針・決議
 

改憲・大増税阻止、市民と立憲野党の共闘広げ、会勢前進に力の結集を

2017年7月23日
全商連第2回理事会決議

一、はじめに
 第1回理事会以降、第11回全国会長会議や第3回地方別活動交流会を節目に、「拡大で悪政に反撃を」と奮闘してきました。安倍内閣が推し進める「戦争する国」づくりに断固反対し、共同を広げてたたかってきました。
 中小業者の苦難が広がる中、社会保険加入の強要や横暴な徴収をはね返し、風営法を悪用した警察の取り締まりから営業の自由を守ってきました。組織建設では、総会時現勢の回復をめざし、減らさず増やす奮闘が各地で広がっています。
 東京都議選では、石原都政以来、都知事と一体となって都民をあざむき、大型開発をわが物顔で推し進めてきた自民党が惨敗しました。この結果は、共謀罪の強行、期限を切った改憲への策動、森友・加計学園疑惑に象徴される国政の私物化、沖縄新基地建設ごり押しなど、「独裁、暴走、ごう慢」な安倍政権への不信任に他なりません。選挙戦を通じて、安倍政権打倒、立憲主義、民主主義、平和主義の回復をめざすたたかい、市民と野党の共闘への展望が大きく広がったことは重要です。
 秋から春に向け、前向きな変化に確信を持ち、9条改憲阻止、安倍自公政権を解散に追い込み、総選挙で審判を下す決意を固め合います。地方別活動交流会で学んだ各地の実践と教訓を基に、それぞれの組織が自己検証を深め、来春迎える全商連と全商連共済会の連続総会を視野に入れ、要求運動と組織拡大に力を合わせましょう。

二、要求運動の重点
 今年上期の営業動向調査結果は、従業員5人以下の小規模事業者ほど経営状況は厳しく、資金繰りに苦しんでいる実態を示しています。こうした現状を反映し、中小業者の要求は、切実さを増し、緊急を要するものが増えています。さまざまな要求に正面から機敏に応え、仲間と一緒に解決するまでとことん取り組むという民商の真骨頂を発揮する時です。旺盛な相談活動で中小業者の苦難に寄り添い、全中連の幹事会・省庁交渉(9月27日)を困難打開の力にします。

1、「改憲・大増税阻止、安倍政権打倒、地域経済守れ」の大宣伝を
 安倍政権は都議選での歴史的大敗北を受け、経済政策を前面に押し出しながら政権浮揚を図ろうとしています。大企業奉仕の自由貿易を推進し、海外での武力行使を可能にする改憲策動は、財界の強い要求に基づくものです。
 安倍政権がEUやアメリカなどとの間で進めている自由貿易交渉は、第一次産業や地域経済に計り知れない打撃を与え、自主共済の存続を脅かしかねません。多国籍大企業の利益拡大を目的とした経済政策に断固反対します。
 憲法9条に自衛隊の存在が書き加えられれば、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定めた9条第2項は死文化し、「安保法制」(戦争法)発動による海外での戦争に道を開くことになります。そのことが、大軍拡と消費税の大増税を招きます。
 この秋、「改憲・大増税阻止、安倍政権打倒、地域経済守れ」の大宣伝を全国で展開します。チラシ、署名、商工新聞号外を活用し、すべての組織が大宣伝の計画を具体化します。全商連はキャラバン行動を実施します。
 都議選の結果が示した政治転換の流れを加速させるため、総選挙に向けて立憲野党や市民連合との懇談・要請を強めます。その際、格差と貧困を広げる増税の中止や社会保険負担の軽減など、中小業者の要求と実態を届けます。

2、全自治体要請に取り組み、切実な要求実現に全力を
 3年にわたって自治体要請に取り組み、具体的な政策提案を行う中で、自治体職員や首長との信頼関係を深めてきました。小規模企業振興基本条例の制定を実現し、「小規模企業振興支援団体」に認定された県連も生まれています。
 全自治体要請に取り組み、都道府県化による国保料(税)の試算を明らかにさせ、引き下げを迫ります。小規模企業振興条例の制定と地域経済振興策の実施、店舗・住宅のリニューアル・リフォーム助成、大規模災害対策を要求し、実利実益の獲得や、安心して暮らせるまちづくりをめざします。公契約条例の制定を働き掛けます。
 特別小口や創業融資の保証枠拡大を自治体の制度融資に反映させます。部分保証の拡大が貸し渋りを招かないよう金融機関に申し入れ、切実な資金繰り要求に応えます。
 まちの荒廃から地域を守るためにも中小業者の役割発揮が欠かせません。旅館業者との対話を進め、地域に悪影響を及ぼす「民泊」を規制する条例制定をめざします。「スナックの件数が多い地域ほど刑法犯認知件数が少ない」という研究結果が明らかにされています。料飲街アンケートと署名で「スナックを守れ」の世論を広げ、強権的な取り締まりの是正を県警に要請します。時機を見て「風営法対策学習交流会」を開催し、署名提出と風営法・解釈運用基準の改正を求める国会議員要請を行います。
 地震や省エネ対策、モノづくり支援など、国や自治体が実施する各種補助金の活用を進めます。原発再稼働に反対し、被災地での営業再建と地域の復興に力を合わせます。
 社会保険加入を迫る動きは、建設業だけでなく、料飲や理美容の法人にも広げられようとしています。一人親方労災の事務組合の結成と、実態に即した親身な相談を強めます。社会保険加入が保障される単価や法定福利費の上乗せの実現を迫ります。
 地域活性化に取り組む労働組合をはじめ、業界団体や自治体との連携を重視し、中小業者・住民が主役の循環型経済をめざします。第20回中小商工業全国交流・研究集会(9月2〜3日、愛知県豊橋市)に全民商から参加し、その成果を各地の商工交流会や「夜の街オリエンテーリング」の開催へと結実させます。

3、税と社会保障の一体改悪に反対し、納税者の権利擁護を
 「不公平な税制をただす会」の試算によると、大企業への特権的な減免税制度を是正すれば、国と地方を合わせて38兆円‖消費税率14%分の税収が確保できます。このことを大きく知らせ、2019年10月に実施が予定されている消費税10%への増税を中止し、5%に戻すことを求める署名を推進します。不公平を拡大する複数税率と、500万もの免税業者が取引から排除されるインボイス制度の問題点を学び合い、実施反対の世論を広げます。
 国税通則法に盛り込まれた扇動罪は、かつて国税犯則取締法の罰則として、税制・税務行政への批判を取り締まる弾圧法規として使われてきました。扇動罪の危険な本質を知らせ、廃止を求める世論と運動を広げます。
 生活費に食い込む税と社会保障負担の実態を告発し、「滞納は悪」の世論誘導に反撃します。納税緩和制度や、差し押さえの限界を示した厚労相答弁を積極的に活用し、負担軽減と、廃業に追い込む横暴な徴収行政の是正に力を合わせます。税と社会保障の一体改悪に反対し、国保、医療、介護、福祉の充実をめざします。
 倉敷民商事件の支援を強化します。禰屋裁判控訴趣意書を学び、納税者の権利と自主申告への確信を深め合います。
 過酷極まりない税金の集め方と軍事費に5兆円をつぎ込むような税金の使い方を正すために、「納税者の権利宣言」(第5次案)を策定し、民主的な税制・税務行政の実現をめざします。第19回税研集会を全国2会場で開催し、改悪国税通則法への対策をはじめ、小法人を含む自主計算・自主申告の活動、納税緩和制度の活用、消費税増税阻止の展望をつかみ、春の運動の力にします。
 本人に無断で個人番号が記載された「住民税特別徴収税額決定通知書」の誤送付が相次いでいます。プライバシーを侵害し、個人情報の漏えいを招くマイナンバーは憲法違反の制度です。対応に悩む中小業者に「番号不記載でも不利益はない」とした政府・省庁の回答を知らせ、廃止をめざします。

4、憲法擁護、核兵器禁止を求める運動の強化を
 改憲勢力の活動が活発化し、憲法をめぐる情勢は緊迫しています。日本会議などが取り組んでいる「改憲賛同署名」は920万人分を超え、青年会議所が4月に全国55会場で行った改憲意識を高めるための「国民討議会」には若者を中心に3000人超が集まっています。
 一方、「憲法守れ」の署名の到達は1200万人分を超え、市民と立憲野党が結集する総がかり行動が全国各地で盛り上がっています。
 草の根から憲法擁護の共同を広げることは「平和でこそ商売繁盛」を信条とする民商・全商連の歴史的使命です。憲法を暮らしに生かし、個人の尊厳を侵す憲法違反の特定秘密保護法、戦争法(安保法制)、共謀罪、扇動罪の廃止をめざす新たな署名に取り組みます。
 共謀罪をはじめ、憲法違反の法律の危険性と問題点を深く学び合い、広範な市民・中小業者に分かりやすく知らせます。班・支部で憲法擁護を決議し、政府に送付するなど、創意工夫を凝らして「憲法守れ」の多数派結集をめざします。
 「民主主義守れ」の旗を高く掲げ、辺野古新基地建設反対の共同を強め、世論と運動で政府を包囲します。来年1月に行われる名護市長選挙への支援を強めます。全国の基地強化に反対し、「憲法守れ! 『戦争する国づくり』許すな」を掲げて開催される日本平和大会イン岩国(10月28〜29日)の成功に貢献します。
 7月7日に国連で採択された核兵器禁止条約は、人類史上初めて核兵器を違法化する画期的なものです。被爆者や市民社会の役割を高く評価し、核兵器被害者への支援も明記しています。条約は秋の国連総会で開示され、加盟国の批准の手続きが始まります。条約の批准を進めるためにも、原水爆禁止世界大会(広島大会・8月5〜6日、長崎大会・同7〜9日)を成功させることが重要です。世界大会に代表を送るとともに、1会員10署名の目標で「ヒバクシャ国際署名」を推進します。日本政府に被爆国としての役割を果たすよう要求し、核兵器禁止条約の締結を迫ります。

三、組織建設の重点
 歴史的転換期に打って出る取り組みを発展させ、強大な民商・全商連の建設に全会の力を結集します。
 大量宣伝と相談活動を相乗的に展開するとともに、拡大リレーによる足並みをそろえた持続拡大や行動参加を広げる班・支部活動、商工新聞の積極活用などが強く求められています。すべての組織が、来年3月末までに第52回総会時現勢の突破に挑戦します。会勢を前進の軌道に乗せ、30万読者・20万会員への展望をひらきます。

1、大量宣伝と結び、相談活動と持続拡大の推進を
 全商連・第3回地方別活動交流会が5、6月に全国6会場で開かれ、屋台骨を担う2125人の役員が参加しました。4月以降、商工新聞読者6304人と会員1838人、共済加入者2776人、婦人部員829人、青年部員237人を迎え、446組織の奮闘を顕彰しました。また、第52回総会から約1年間の成果や到達、取り組みの前進面を総合的に学び合い、民商・全商連の役割に確信を深めました。この成功を糧に、攻勢的な持続拡大と運動の継承・発展を推進します。
 経済センサス活動調査や基本調査の結果に基づき、「地域にどんな民商をつくるのか」「紹介したくなる民商へ何が必要か」を深め、「目標と計画」に基づいて行動を起こします。
 相談内容と解決の方向を、役員会と事務局が責任を持って分析・検討し、若い世代にも相談活動の担い手を増やします。会員の結びつきを掘り起こす紹介とともに、テーマを工夫した相談会・説明会・学習会などを広く案内します。
 読者前面の拡大と毎月の会員拡大を追求し、「読者から入会へ」の働き掛けを強めます。実績チラシや宣伝カー運行などと併せ、HP(ホームページ)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も有効に活用し、「目に見え、音に聞こえ、口コミで話題となる」大量宣伝を推進します。
 商工新聞・宣伝紙は8月7日号から来年3月26日号まで一部20円にします。9月1日を起点に、11日から11月27日まで、2018年1月1日を起点に15日から3月26日まで、週報で集約します。

2、商工新聞を活用し、学習充実と班・支部強化を
 会員の総意を結集する組織運営を心がけ、全会員参加をめざして、商工新聞中心の活動と「会員主人公」の班・支部活動を抜本的に強めます。
 中小業者・国民のたたかいを伝え、生きる力と要求解決の展望を示す商工新聞の紙面を紹介し合う機会を増やします。徴税権力の横暴是正や経営環境を改善する制度・ルールの創設・拡充を「知って、知らせて、組織する」取り組みを強め、中小業者の生きる道を広げる要請や交渉に生かします。
 商工新聞は、運動、組織、財政を統一的に前進させ、全国と地域の運動を結んで発展させる要でもあります。多くの役員が商売を切り盛りしつつ、配達・集金に粘り強く取り組む姿が民商・全商連への信頼を広げています。読者の声や感想に耳を傾ける機会を設けます。会員同士の連帯を強め、共通の話題を提供するニュースづくりに挑戦し、双方向の通信活動への会員参加を増やします。
 班・支部を中心に「集まって、話し合い、相談し、助け合う」取り組みを強めます。気軽な声掛けや訪問・対話を通じて商売の様子や互いの健康を気づかうとともに、「民商が何をめざしているのか」を伝えて理解と納得を広げ、拡大対象者の紹介や行事の紹介、署名への協力を呼び掛けます。
 新会員が仲間の存在を意識できるよう歓迎学習会を積極的に開催します。読者との結びつきを班・支部建設に生かします。「運動しつつ学び、学びつつ運動する」活動スタイルを強めるとともに、支部役員学習会や班長学習会を計画し、班・支部の担い手を増やします。

3、共済・婦人・青年の対策強め、総合力発揮を
 この間、共済会と一緒になって、未受診者ゼロをめざす集団健診を推進し、助け合いの輪を広げてきました。健診・受診者が過去5年で最高規模になった成果を踏まえ、「班に共済係、支部に共済役員」をつくり、すべての民商・共済会が会員加入率80%を早期に達成します。県連や民商として共済会と共に、いのちと健康を守る学習交流会の開催に取り組むようにします。
 婦人部は、いのち・暮らし・商売を守る心意気を示すため、過去最高の3000人規模で第15回全国業者婦人決起集会を成功させようと奮闘しています。所得税法第56条廃止への展望を広げるとともに、戦争法や共謀罪の廃止、国保や介護、福祉・教育の充実など、切実な要求を掲げて衆参の全国会議員への要請や省庁交渉を展開する貴重な機会となります。業者婦人の力と心をひとつに、大きく成功するよう運動・組織・財政への支援を強めます。
 各地で、「民商サクセション(継承)」企画の具体化が進められています。業者青年の経営要求に正面から応えるとともに、業者人生の豊かな示唆を若い世代の成長に生かし、民商運動への家族の理解を広げる機会として成功させることが重要です。業者青年実態調査・結果に学ぶとともに、自治体要請にも活用することで「業者青年に魅力ある民商建設」を推進します。
 多くの小企業・家族経営が危機的事態にある中、家族一人ひとりの要求を大切にし、力を合わせて困難を解決する多彩な取り組みを発展させます。

4、連合会組織の役割発揮と事務局建設の強化を
 困難かつ複雑な相談を解決し、中小業者の生きる道をひらくために、連合会組織の連携と団結が強く求められています。
 民商は県連の構成単位であり、自覚と責任を持って県連方針に団結して活動することが大切です。また、県連が全商連に結集し、統一した運動を一斉に展開することで、「中小業者運動のナショナルセンター」としての役割が発揮できます。
 全自治体要請や拡大リレーを推進したところで、県連の役割発揮が鮮明になっています。この取り組みを発展させつつ、多彩な業種別・問題別対策や「減らさず増やす」持続拡大の力にしていきます。
 全商連は9、10月に日程と開催地を3週に分け、第11回事務局長学校を開催します。歴史的転換期に打って出るため、事務局長の役割をどう正しく発揮していくかを深め合います。
 事務局員の基本的な任務は「要求を実現するため、会員自らが活動に参加できるよう役員会と一緒になって活動する」とともに「会の組織と財産を守る」ことです。とりわけ、税理士法の拡大解釈や悪用を許さず、民商弾圧をはね返していくため、記帳を要求運動として正しく発展させることが大切です。「専従者」として誠実に活動に向き合い、「組織者」として会員の運動参加を広げ、「変革者」として困難打開に奮闘できるよう学習・教育を強め、事務局活動の継承・発展を推進します。
 役員会と事務局の団結と相互信頼を深め、「共同の運動の推進者」としての役割を発揮します。

四、財政活動の強化を
 基本調査結果によれば、商工新聞紙代、会費、共済会費いずれも多額の未収が明らかになっています。早急に克服するとともに、組織建設と一体に財政活動の改善、請負活動の克服が重要になっています。
 会費を払えない会員に心を寄せ、全会員訪問を進めて、仲間意識を高め、助け合い活動を強めます。
 同時に、民商の財政は会費と商工新聞紙代が中心であり、一人ひとりの支え合いによって運営していること、県連・全商連は連合会組織として、加盟している民商の拠出によって成り立っていることなど、財政活動の重要性を多くの会員に知らせます。
 「財政活動の5点改善」を堅持し、「15日集金」など月サイクルの活動を確立し、未収を生まない組織づくりを進めます。
 9条改憲・消費税増税を許さず安倍政権の暴走を阻止し、旺盛な要求実現活動と組織建設を強めるため、積極的な財政計画を立て運動募金を訴えます。
(以下、略)

全国商工新聞(2017年7月31日付)
   
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