全婦協第32回定期総会開く
くらし、いのち守る運動大きく

全国商工新聞 第3334号10月29日付

女性の共同で改憲・大増税止めよう

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熱気あふれる討論を行った全婦協第32回定期総会

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全体会発言に代議員の笑顔が広がりました

 「くらし、いのちを守る運動、私たちが大きなうねりを起こそう」―。全商連婦人部協議会(全婦協)は13、14の両日、東京都内で第32回定期総会を開催。333人の役員・代議員が熱気あふれる討論を行い、総会決議案、決算予算案を満場一致で採択し、運動の先頭に立つ新役員を選出しました。

 沖縄県知事選挙勝利で「新基地ノー」の民意が示され、希望も見えた情勢の下で開催された今総会。安倍首相が、翌日の臨時閣議で消費税10%への増税をあらためて表明しようという緊迫した中で、改憲・大増税阻止の世論と運動を広げ、所得税法第56条廃止の運動を推進する、業者婦人の決意を示しました。全国の婦人部は、力を集めて総会を成功させようと、当日まで部員拡大に奮闘し、8月1日から1300人以上の部員を増やしてきました。
 全婦協の塚田豊子会長が主催者あいさつ。「この2年間、平和や消費税、56条廃止運動にこつこつと取り組んできた。額に汗して働く仲間の苦労が報われる社会にすべく、力を合わせよう」と呼び掛けました。全商連の太田義郎会長が「平和でなければ商売はできない。安倍政権の暴走を許さず、平和、民主主義、人権を守る運動を広げよう」と激励。全商連青年部協議会の伊あろう丹濯副議長は「所得税法第56条は事業承継を阻む問題。婦人部のパワー、団結、温かみを学びたい」とあいさつしました。
 土井淳子事務局長が総会に対する常任幹事会の報告を提案。8人が全体会発言を行いました。
 2日目は17の分散会で討議(右下別項)。多彩な婦人部活動や消費税増税・憲法改悪反対の運動、商売への思いなどを交流。「悩みは一緒。一歩ずつ歩みを止めない仲間の姿に勇気をもらった」との声も上がりました。
 続く全体会では、総会決議案と決算予算案を満場一致で採択。前総会時より5%増勢、会員比6割達成などの基準を突破した、山梨、徳島、大分、沖縄の4県婦協、89組織を表彰しました。
 選出された新役員を代表して塚田豊子会長が「本音で運動できるのが婦人部の魅力。生活の中でおかしいと感じたことを話し合い、変えていける組織をつくろう」とあいさつ。退任役員を代表して小堤清子常任幹事が「仕事や家事の時間をやりくりし、真剣に討論する仲間の姿に心を動かされ、ヒントをもらって活動を続けてこられた」と振り返りました。
 閉会あいさつでは加藤三重子副会長が「拡大は、相手がどんな思いをしているのか知り、伝え合うことで始まる。平和、子育て、暮らしを守るためのたたかいが全国で繰り広げられている。10万人全婦協、6割婦人部をめざして一緒に頑張っていこう」と訴え。つないだ手を掲げ、団結ガンバローで思いを一つにしました。
 総会には来賓として日本共産党の岩渕友参院議員と日本婦人団体連合会の柴田真佐子会長が駆け付け、激励のあいさつをしました。

婦人部活動を豊かに 17分散会で活動交流

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分散会で各地の取り組みの報告に共感する代議員

もっと勉強して消費税増税阻止

 分散会討議では、「消費税増税・インボイス導入は絶対反対」の思いが相次ぎました。「対応するレジの導入に60万円かかる」「もうすでに食料品などの物価が上がっている」など怒りが噴出。和歌山の代議員は「反対する女たちのたたかいのうねりをつくることが必要。国会を包囲してこんなに怒っていると示したい。女性が立ち上がれば世の中は変わる」と発言しました。「近所で48軒回って、78人分の署名を集めた。若い女性と話ができ、読者拡大にもつながった」(大阪)、「インボイスになったら大変なのは記帳をするお母ちゃん。もっと勉強して反対しよう」(兵庫)と元気な声が上がりました。

参加をしやすい婦人部つくろう

 婦人部づくりの課題として出されたのは、若手の担い手づくり。「どうやれば活動に参加してくれるの」という問いかけに「子どもや男性も来られるよう、動物園や温泉ツアーをした。気軽につながれる場がいい」(北海道)、「就学援助拡充を若いママを中心に要請。請願採択の感動を実感できた」(京都)などが出されました。部員同士のつながりを深める活動では、「部員訪問したとき、『夫に仕事がない』と会話になり、民商で仕事探しをした」(埼玉)、「毎週金曜日の夜を『レディースの会』に。飲み会のような感じだが、子どもが眠った後に参加する人もいて、相談できる場になっている」(大阪)、「2カ月に一度のお誕生日会でお互いを知ることができ、役員がスムーズに決まるようになった」(福岡)など、あったか民商の姿が示されました。

56条廃止めざし粘り強く訴えて

 所得税法第56条廃止の運動では、「議員とのつながりをつくろうと、何度もお便りを出して、返事をもらいに訪問している」(高知)、「採択された92自治体が一目で分かるように地図をつくり、議会や自治体に見せている」(北海道)など、粘り強い活動に感銘が。「税務調査で青色申告を取り消され、追徴に。青色が税務署長による特例だと実感し、56条廃止への思いを強くした」(埼玉)との経験も出されました。

平和や子育ての要求をかなえて

 「憲法カフェを開催。自分たちの生活に身近なものと感じた」(佐賀)、「横田にもオスプレイが来た。米軍基地は全国的問題」(東京)など平和に関する取り組みも。沖縄県知事選の支援を行った代議員は「要求が一致すれば勝てる。これからは業者の要求をひとつにすることで、改憲、消費税増税ストップの運動を強化したい」と実感を込めて発言しました。
 「就学援助の拡充を求め、教育委員会へ足を運んできた。今年も66人が申し込み、入学準備金を入学前に振り込んでもらえるように」(兵庫)、「女川原発再稼働反対の10万人署名に取り組んでいる」(宮城)など多彩な活動が報告されました。
 健康被害に関して、「夫も自分もアスベストの影響を受けて、たんやせきが出る」(大阪)などの深刻な告発も。「乳がん検診を3年前から行っていて、16人が受診し2人が要検査に。今年から若い会員の要望で、子宮がん検診にも取り組む」(愛知)と健康を守る活動も紹介されました。

憲法9条を守ろう

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 開催地の東京の婦人部からは、「来年が良い1年になるように」と参加者全員に来年の干支、イノシシをかたどったあめ(豊島民商会員作製)を、「憲法9条を守りましょう」の袋に詰めてプレゼント。「甘いあめをなめて、安倍には厳しく! 暮らしと営業を守る運動に突っ走ろう!」との思いを込めて配りました。

声掛け仲間増やそう 第1回常任幹事会

 総会終了後、選任された新役員は第1回常任幹事会を開催しました。
 要求運動と組織建設を推進するための具体的な行動を提起。「総会決議をよく読み、学習・討議で深める」「改憲・大増税阻止の運動に力を合わせる」「『婦人部っていいよ』の声を掛け、仲間を増やす」ことを確認しました。

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