全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 婦人のページ > 全国商工新聞 第2777号 4月9日付
活動 婦人部
 
業者婦人の働き分認めて
女性全体の地位向上に

所得税法56条は廃止を
 配偶者や家族の給与を認めるというのが世界的な流れの中で、日本では業者婦人がどんなに働いても、その働き分は正当に認められていません。諸悪の根源は所得税法第56条です。この悪法があるために出産・育児手当も支給されず、業者婦人の社会的地位を不当に引き下げています。男女共同参画社会基本法にも矛盾しています。全国商工団体連合会婦人部協議会(全婦協)は長年、「私たちの働き分を認めて」と訴え、同法56条の廃止を求めてきました。こうした運動で、国や自治体の中にも問題を指摘する声が広がっています。

韓国では必要経費
埼玉・本庄民商 神倉淑恵さん


 どんなに働いても専従者控除の86万円しか認められない日本の税制に矛盾と怒りを感じています。韓国から日本へ来て20年。母国では事業に直接従事する配偶者や扶養家族の給与は必要経費に認められています。
 運送業を経営する民商の会員と結婚。5年前、夫が病に倒れてからは運送業と飲食店を切り盛りしています。「婦人部の仲間と国会や自治体交渉に何回も行った。でも、日本の政治はどんどん悪くなる。政治を変えなきゃダメ。もう我慢できない。昨年、法人にしたよ。でも中小法人も重税で不公平ね」と語っています。

国保税にもびっくり
埼玉・本庄民商 陳貴蘭さん


 15年前、台湾から日本にやって来ました。確定申告して驚きました。「自分の働き分が認められないのはおかしいよ。それから住民税や国民健康保険税がきてびっくり。民商へ飛んで行きました。これ間違ってる。これでは生活できないと文句を言いました。何回も説明されて、やっと、間違っていないと分かって、もっと驚きました。みんなよく黙っている。なぜ怒らない。国民の義務だから税金は払います。でも政府は、中小業者のことを全然考えていない。税金の無駄遣いが多く、年寄りを大事にしない」と怒っています。

傷病手当もない
大阪・和泉高石民商 平山昭代さん


 12年前、夫の開業を機に「仕事を手伝えれば」と思い、看護師の仕事をやめました。業者婦人になって、いかに過酷な状況で働いているのかということを思い知らされました。
 「自分が勤めていた時には当然と思っていた出産・育児手当、傷病手当、介護休暇も何もない。出産直前まで働き、出産後もゆっくり休めず、商売を手伝わなければならない妻が多いことには驚いた」と言います。夫と一緒に働いても自分の給料すら認めてもらえない‐。働いて賃金をもらうのは当然のことと思っていただけに、平山さんはこのことにショックを受け、怒りを感じました。
 さらに、多くの業者婦人が無理をして働き続けている現実を目の当たりにし、「業者婦人は、自分たちが差別されている実態を自覚して、もっと訴えるべき」と強く感じました。「私たちは特別な要求をしているのではない。男女共同参画社会といわれる状況の中で、人権無視に等しい業者婦人の実態を知ってほしい。業者婦人も労働者と同じ働く女性なんです」と力を込めて訴えています。

自治体で理解すすむ

 この間、全国の婦人部がとりくんだ自治体交渉では重要な回答を引き出し、運動を前進させています。
▼埼玉県では「所得税法56条廃止を関係機関に働きかけを」の埼玉県婦協の要請に対して「機会があれば56条に問題があることを話したい」(06年9月14日)と回答。
▼浜松市でも「白色申告では専従者給与は86万円しか認められず、給与としてではなく、控除としてしか取れない」との訴えに、男女共同参画課課長が「働き分が経費と認められないなんておかしい」(1月19日)と所得税法第56条に問題があることに理解を示しました。
▼岐阜県の男女参画青少年課長は「(業者婦人の)厳しい実情は分かったので、県政に反映する」とし、所得税法第56条の廃止についても「理解できる」(06年12月15日)と述べました。
▼東京・[飾区では人権推進課課長が所得税法第56条に「男女の不平等があるなら研究する。女性の立場を向上させるという点で、めざす方向は同じ」(06年10月26日)と意見が一致。交渉では参加者が「白色申告の業者婦人は86万円の控除。東京都の最低賃金714円に対して私たちは358円。これは所得税法56条があるため。パートに行けば給料がもらえるのに、自分の家の仕事で認められないのは人権にかかわる問題」と訴えました。

 
 
全商連トップ ページの先頭