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  トップページ > 調査 > 全国商工新聞 第3077号7月1日付
 
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調査 実態調査
 

円高・コスト高、転嫁できず アベノミクス影響調査

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円安の影響で危機に直面する中小企業の実態を訴えた中小企業庁との交渉。左から安井副議長、菊池副会長

 全国商工団体連合会(全商連)は19日、円安による経営危機の救済を求めて中小企業庁と交渉しました。菊池大輔・全商連副会長をはじめ10人が参加。無利子・無担保の特別融資の創設や原材料の市場動向の監視、借換保証などの活用促進、消費税増税の中止を要請すること-などを要望しました。
 全商連が緊急に実施したアベノミクスによる円安の影響と今後の見通しについての調査結果を報告。円安の影響で経営が悪化しているのが46・5%を占め、コスト上昇分を価格にまったく転嫁できていないが70・5%に上っていることを示しました。庁側は「円安で収益が悪化していることは問題」との認識を述べました。
 参加者は「飲食店は小麦や油が上がっているが、価格に上乗せできず、給与を削ってしのいでいる。消費税が8%になったら廃業するという声も出ている」(埼玉)、「材料代が10年間で2倍になった。消費税増税分を社会保障に充てるというが、年金や医療、福祉は削られている」(千葉)、「信用金庫が保証協会が保証をしないことを理由に借換融資を拒んでいる」(東京)などの実態を告発。菊池副会長は、経営改善計画策定の支援制度について「2万社を対象にしているが相談件数はわずか1625件。制度が機能していない」ことを指摘。同時に「消費税を増税すれば景気はさらに冷え込む。庁としても増税中止を要望すること」を強く求めました。

仕材高騰 転嫁できず7割
消費税増税は中止を

 「中小業者の46・5%がアベノミクスで経営が悪くなる」―。全国商工団体連合会(全商連)が実施した「『アベノミクス』円安による緊急影響調査」では、アベノミクスによる急激な円安で、あらゆる業種で材料・経費が上昇し、7割の業者が価格に転嫁できないなど経営が圧迫されている実態が浮き彫りになりました。

 緊急影響調査は6月1日〜10日で実施しました。民主商工会(民商)会員の1351人から回答が寄せられました。
 アベノミクスの円安・株高で景気浮揚効果があると言われてきましたが、「今後の経営の見通し」(グラフ1)について「よくなる」と回答したのは、わずか3・0%。「悪くなる」は46・5%に上りました。消費税増税前の「特需」や公共工事の拡大が続いている「建設土木」は「悪くなる」が37・9%と全体平均よりは低い数字ですが、「卸・小売」「料理飲食」「サービス」では軒並み50%を超えています。
 安倍政権発足直後の昨年末と比べて、「材料・経費は上昇しているか」(グラフ2)と聞いたところ、「1割程度上昇」(39・2%)、「2割〜3割程度上昇」(17・5%)、「4割〜5割程度上昇」(0・7%)、「5割程度上昇」(0・2%)の合計で57・6%に上りました。材料・経費の上昇は特定業種に限らず、すべての業種で表れています。

グラフ1、2

 売り上げは減少
 実体経済の回復が進んでいるかどうかを表す指標となる「昨年末比での売り上げ状況」は、「増えている」は6・7%にすぎず、「変わらない」が49・6%と最多。これに対し「1割程度減少」(18・0%)、「2割〜3割程度減少」(17・7%)など減少は全体で43・7%。景気回復どころか、原材料・コストの上昇と物価高により、売り上げが減少傾向に働いていることがうかがえます。
 「昨年末比での利益の状況」でも利益の減少は全体で54・5%に上っています。
 材料・経費が上昇している中小業者に価格への転嫁ができているかどうかを聞いたところ、「まったく(転嫁)できていない」は全体で70・5%にもなっています。「100%かほぼ(転嫁)できている」との回答は8・4%にとどまっています。
 業種別に見て転嫁のできない割合が高いのは「その他」(91・7%)、「料理飲食」(86・7%)、「サービス」(80・7%)、「製造加工」(68・6%)と続いているように、すべての業種で価格転嫁が困難な実態が見られます。

 消費増税中止を
 緊急影響調査の結果からは、中小業者は景気押し上げ効果を実感しておらず、アベノミクスによるデフレ不況の脱却や景気回復は望めないことが明らかになっています。この状況下での消費税増税はさらなる景気後退を招きます。
 安倍政権は、大企業・大資産家だけに富を集中させるアベノミクスを直ちにやめ、地域循環型の経済政策に転換し、消費税増税を中止すべきです。

「アベノミクス」円安緊急影響調査に寄せられた「ひとこと」

全国商工新聞(2013年7月1日付)
 
 
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