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参院選大争点 大企業に大減税 税の集め方を転換

安倍政権 大企業に年間10兆円超の大減税
 アベノミクスの3年半で大企業は史上最高益を上げる一方、8%への消費税増税と社会保障改悪で個人消費は冷え込み、景気は低迷。消費税10%への引き上げは延期ではなく、きっぱり中止すべきです。赤字でも、価格に転嫁できなくても納めなければならない消費税は中小業者の経営を窮地に追い込んでいます。大企業優遇税制を是正すれば、消費税に頼らなくても社会保障を充実させることはできます。参議院選挙(7月10日投票)は消費税増税の道を突き進む自公政権に審判を下し、憲法に基づき、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制に転換させるチャンスです。

8%で負担2.5倍消費税増税ノー
 「富裕層は海外に多額の資産を隠して税逃れをしているし、輸出大企業は戻し税が還付され、消費税を納めていない。私たち中小業者は借金してまで消費税を納めているのに…。弱い者いじめの税制って本当におかしい」。神奈川・川崎中原民主商工会(民商)のAさん=内装=は怒りをぶつけます。脱サラで夫が事業を始めて23年。長男が事業を継ぎ、親子で仕事に励んでいます。経理を任されたAさんは、常に資金繰りに苦しんできました。
 消費税の課税業者になった5年前、消費税の負担が重くのしかかり、納税のための資金繰りのことを考えると夜も眠れずうつ病になり、引きこもってしまいました。民商の仲間と出会って元気を取り戻したものの、今も薬が手放せません。

生活できない
 経費を除いた年間所得は約400万円。所得税や事業税、地方税、国保料、介護保険料を合わせると年間180万円を超えます。残りの220万円で家族4人が生活をしなければなりません。「税金を払うために働いているようなもの」とAさんは怒ります。
 とりわけ負担が重いのが一括納付を迫られる消費税。身内に借金を繰り返して納めてきました。消費税が8%に増税され、年間20万円から昨年は48万円に跳ね上がり、今年はさらに53万円に。一括ではとても払えず、「換価の猶予」を申請して分納を実現しましたが、夏には中間申告をしなければなりません。
 「中間申告でいくら納めなければならないのか、通知がくるのが恐ろしい。これ以上の消費税増税は絶対反対。増税路線をやめさせるために参議院選挙で消費税増税の中止を求める政党と候補者に大事な1票を投票したい」とAさんは力を込めます。

不公平税制正せば財源つくり出せる
 大企業を優遇するアベノミクスの3年半で消費税は5%から8%に増税され、国民・中小業者に負担を押し付ける一方で、財界や大企業の要求に応えて法人税を引き下げてきました。租税特別措置(租特)に詳しい菅隆徳税理士は「大企業優遇の不公平税制を是正すれば年間10兆円を超える財源が生まれ、消費税の増税は必要ない」と言い切ります。問題にするのは「租特による減税が、大企業優遇税制を拡大させている」ことです。
 租特は、大企業に対しては租特法に基づく各種準備金や特別償却、圧縮記帳、研究開発費による税額控除が適用され、“隠れた補助金”になっています。租特法による大企業減税額(2014年度)は1兆5361億円に上り、安倍政権になってから倍増していることが明らかになりました(図1)。

図1

 中でも突出しているのが研究開発費の税額控除で、4年連続で増額しています。トヨタ自動車だけでも減税額は1000億円を超えています。トヨタ自動車は2694億円もの輸出戻し税が還付されています(湖東京至税理士の試算)。同社は消費税を一度も税務署に納めたことはなく、その上、租特によって法人税が減税されています。
 さらに受取配当益金不算入や連結納税制度など法人税法に基づく租特もあり、菅税理士の試算では、2014年の租特による大企業減税を全部合わせると5兆7973億円に達し、さらに法人実効税率引き下げによる大企業減税は6兆5045億円に上ります。この二つで消費税5%分に相当する10兆円が捻出できます(図2)。

図2

 消費税率を8%に引き上げた安倍首相は「すべてを社会保障のために使う」と繰り返してきましたが、そのうち社会保障の「充実」に回ったのは2割にも満たない、1.35兆円にすぎません。

選挙で審判を
 安倍首相は消費税増税をあきらめたわけではなく、先延ばししただけです。増税を推進する自民・公明両党とその補完勢力が参議院選挙で議席を伸ばせば、10%への引き上げとともに、中小業者に膨大な実務負担を押し付け、免税業者を取引から排除する「軽減税率」やインボイスが導入されます。消費税増税をきっぱり中止させるかどうか。参議院選挙での選択が問われています。

全国商工新聞(2016年6月27日付)
   

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