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  トップページ > 全国商工新聞 第2767号 1月29日付
政府(官庁など)
 
自公が税制「改正」と予算案 
消費税増税へさらに一歩
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消費税各界連絡会新春宣伝=東京・浅草雷門前
  自民、公明両党は昨年末、07年度与党税制「改正」大綱と、07年度予算案を発表しました。「改正」大綱は「庶民、中小業者に増税、大企業に減税」という「逆立ち」税制をさらに推し進める内容です。予算案の総額1兆円規模の減税は、ほとんどが減価償却制度の見直しや証券税制の優遇措置の延長など、大企業や大金持ち減税で占められています。その財源は1兆7000億円規模の定率減税全廃をはじめとした庶民増税です。その上、大綱では08年からの消費税率引き上げを打ち出しています。「大企業減税のツケを庶民に回すなんてとんでもない」「もうかっている大企業や大金持ちにこそ課税すべきだ」と、逆立ち税制に怒りの声が広がっています。

大企業、大金持ちには大判振るまいの減税を実施・継続

 07年度与党税制「改正」大綱は、「経済活性化」「国際競争力強化」を口実に、財界や日本経団連の「法人税の実効税率を引き下げよ」との要望に応えて大企業ほど減税の恩恵を受ける減価償却制度を拡充します。
 償却可能限度額(95%)の撤廃や新規取得資産について全額を償却できるように見直すなどで、減税規模は6000億円にも上ります。すでに実施されている研究開発・情報技術(IT)減税約7000億円に匹敵します。
 また、「大金持ち優遇」と批判の強い上場株式の取引による売却益と配当の軽減税率(本来20%の税率を10%に半減)を1年間延長し、約3000億円もの減税を継続します。さらに問題なのは09年度から「株取引間の損益通算を検討する」と明記するなど、引き続き金持ち優遇措置を続ける余地を残していることです。

”逆立ち”税制のつけは庶民、中小業者に

 大企業、大金持ち減税のツケは庶民、中小業者に回されます。税制「改正」大綱は財政の状況が「危機的な状況にある」として、参院選後に「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組む」と明記。参院選での争点を避けながら08年からの消費税増税に言及しています。
 昨年の定率減税の半減や老年者控除の廃止では、全国の自治体にお年寄りなどの抗議の声が殺到しました。
 今年はさらに定率減税が全廃され、庶民には1兆7000億円もの増税が強いられます。
 また、検討事項として、06年度税制「改正」大綱に引き続き、生命保険料・損害保険料控除のあり方の抜本的見直し、住民税均等割りの引き上げに言及し、扶養控除の縮少も示唆しました。
 来秋以降に本格化する「税体系の抜本的一体的改革」の論議では、法人税のさらなる実効税率引き下げの一方で、消費税、所得税、住民税など、あらゆる庶民増税が検討されることは明らかです。

国民の怒りを広げ、増税勢力に反撃を

 こうした大企業優遇、庶民・中小業者いじめの政治に、国民の怒りが広がっています。昨年12月、官邸主導で任命された本間正明税調会長は、自らの不正官舎入居問題への世論の大きな批判にあい、辞任に追い込まれました。
 また、各地の消費税増税反対の宣伝行動でもかつてない署名と怒りが寄せられています。
 マスコミ各社も「理不尽な法人税引き下げ」「消費税を含めた改革の全体像を参院選の前に示して国民の判断を仰ぐべきだ」(朝日)、「企業の税負担軽減に偏重している」(毎日)、「家計負担が年間で総額1兆円以上増えるなか、国民の反発は必至」(産経)と批判。元国税庁長官の大武健一郎氏も「法人税引き下げは間違っている」と批判しています(立正大学が昨年12月に開いた税制シンポジウムで)。
 家計への減税や社会保障の充実によって個人消費を伸ばしてこそ国内経済は活性化します。
 日本国憲法が求める応能負担の原則に沿った税制「改正」こそが求められています。
 
 
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