国保法44条の「一部負担金免除」を申請で医療費全額免除に=岐阜北民商
仕事復帰に希望つなぐ
頚椎狭窄症の治療のために岐阜大学病院に入院する岐阜北民主商工会(民商)の山口羊伴さん=庭師=は9月14日、「国民健康保険法44条」(注)の適用で医療費(薬代も含め)が全額免除されることになり、「これで安心して治療に専念できる」と喜んでいます。
「治療に専念できる」
重い医療費の負担に悩んでいた山口さんは、医療費の一部負担金免除を岐阜市に要請。「国民健康保険一部負担金免除証明書」の交付を受け、9月から11月の3カ月間の医療費(薬代も含め)が全額免除されることになったものです。
幼少期の事故で頚椎を損傷した山口さん。その後、後遺症もなく過ごしてきましたが、数年前から手にしびれを感じるように。「最悪の場合、手がうまく使えないようになる」との診断で、昨年11月、切開手術を受けました。
しかし、症状は快方に向かわず、最近では庭師の仕事も困難に。ハンドルを握るのもやっとで、年金と単発的なアルバイトでつないできました。医師からは再手術を勧められましたが、「治療費をどうまかなうか?」と悩んでいました。
そんな折、岐阜県連の幹部学校で、「治療する間だけでも生活保護を申請してみたら」とアドバイスを受けました。しかし、車をリース契約していた山口さん。福祉事務所に相談すると、「リース代金の支払いがあると生活保護は認められないので、解約を」と条件を提示されました。
元気になったら仕事に復帰することを希望している山口さんは、車を手放すことはできません。そこで、「国民健康保険法44条の適用が受けられないか」と考え、調べると「岐阜市国民健康保険一部負担金減免等に関する取扱要綱」があると分かりました。
9月6日にあらためて福祉事務所を訪ね要請。福祉課長は「事情については国保課へ電話を入れる」と約束しました。国保課の担当者は親切に対応、1時間ほどの面談で申請書まで提出できました。
山口さんは「支払いを心配せずに医者に通えることは本当にありがたい。必ず元気になって仕事に復帰したい」と話しています。
(注)国保法44条
加入者(患者)に特別な理由があって医療機関に一部負担金(窓口で支払う医療費や薬代)を支払うことが困難な場合は、医療費や薬代を「減額・免除・徴収を猶予」するもので、市区町村が独自に基準を定めて実施しています。
全国商工新聞(2016年10月10日付) |