国保証発行させ即入院 命助かる=広島・三次
広島・三次民主商工会(民商)のNさん=建築加工=は先ごろ、民商とともに市役所と交渉し、国民健康保険(国保)保険証の発行をかちとりました。その後、病院で診察を受けて心筋梗塞が発覚、即入院して手術を受けることができました。「もう少しで手遅れになるところでした。民商の力強さを感じた」と話すNさんの手記を紹介します。
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私は2年前に先代より代替わりし、その間、母と一緒に仕事を続けてきました。
しかし、かなり前から市税を滞納しており、無保険状態に。保険証もなく、この間、健康診断はおろか病院に行くこともできませんでした。
震災後に仕事の受注が減少しました。頑張って乗り切ろうとしていた5月半ば、突如胸の痛みを感じ、食欲がなくなり、病院にも行けず、痛みが治まるのをただひたすら我慢していました。
6月に入り、立てないほど胸の痛みが激しくなりました。「どうにかして病院に行きたい」と思っていても、保険証がない。どうしようと悩んでいた時に、母が民商へ相談に行ってくれました。
事情を聞いた民商は、すぐさま母と一緒に市役所に行き、保険証を出すように交渉。しかし市役所は当初、「病院に行って病名が分かれば、保険証が発行できないことはない」と見当違いの発言をしました。
母はあきらめて帰ろうと思っていましたが、「国保は社会保障。命にかかわるような状況で保険証を出さないのはおかしい」と交渉を続け、結果、6月8日に保険証が発行されました。
病院で診察を受けたところ、心筋梗塞が発覚。「あと少し遅れていたら危なかった。よく我慢してきたね」と言われ、即入院して手術を受けました。限度額適用認定証(別項)も交付され、本来なら約33万になる窓口での負担金も、約21万円で済むことになりました。
手術後、病院のベッドの中で「民商に入っていて良かった」と感謝しました。手術は無事成功。今は共済の入院見舞金もいただき、助かっています。今までのように仕事はできませんが、母と一緒に頑張って営業を続けていけたらと強く感じています。
▼限度額適用認定証
入院する場合、認定証を医療機関の窓口に提示することで、1カ月間に一つの医療機関で支払う医療費が、自己負担限度額までになります。認定証の提示ができず限度額を超えて支払った場合、払い戻しの申請を行うことができます。申請は各市区町村などの自治体。自己負担限度額は、年齢や所得金額によって異なります。
全国商工新聞(2011年9月5日付)
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