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  トップページ > 国保・年金のページ > 国民健康保険 > 全国商工新聞 第2936号 7月26日付
 
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国保料引き下げ 4人家族で3万5000円=愛知・北名古屋市

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長瀬保市長(正面奥)と懇談する「北名古屋市くらしと健康を守る会」の人たち

 「国保料(税)が高すぎて、払いたくても払えない」―。今年度の国保料決定通知書が送付され、国保料(税)の納付に当たって悲鳴が上がっています。全国の民主商工会(民商)では、国保料(税)の引き下げや減免申請の拡充などを求める運動を展開。愛知県北名古屋市では国保税の引き下げを実現し、神奈川県厚木市では減免や保険証の交付をかちとっています。

表1 北名古屋市の国保税引き下げモデル例
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6月議会で引き下げ条例
 北名古屋市は6月議会で国保税の引き下げを決める条例案を可決。4月にさかのぼって適用されます。
 これにより、夫婦と子ども2人の世帯で年間所得が200万円の場合、3万4700円(民商試算)、夫婦と子ども1人で年間所得が85万円の場合、5万7800円(市試算)などが引き下がります(表1参照)。
 今回の改正では、1人当たりの額を決める均等割額を6500円、1世帯当たりの額を決める平等割額を5700円、所得割率を0・2%と、それぞれ引き下げ。必要となる約2億円の財源は、一般財源から特別予算を組んでまかないます。

署名運動広げ市長が公約に
 この間、北名古屋民商では自治体交渉や集団減免に取り組み、高すぎる国保税の引き下げを求めてきました。
 2月には「国保税引き下げ署名運動」を起こすことを決め、他団体にも呼びかけて「北名古屋市くらしと健康を守る会」を結成。4月に行われた北名古屋市の市会議員選挙や市長選挙を挟んで署名活動に取り組みました。
 その結果、長瀬保市長は選挙公約に「国保税を引き下げる」と明記。選挙後は市長との懇談で公約実現を迫り、低所得者に負担が軽くなるよう、均等割額と平等割額の引き下げを求めていました。
 6月議会では市長が提案し、国保税の引き下げが決まりました。

いのち守る運動に確信
 橋本浩明会長=機械部品製造=は「毎年市と話し合い、国保税の引き下げを要望してきました。署名運動を起こして多くの市民とともに運動してきた成果です。減免制度の拡充をめざし、引き続き運動します」と話しています。
 西春支部の小笠原勝也支部長は「多くの会員と一緒に市役所に出かけ、分納相談や短期保険証撤回を要求してきました。いのちと健康を守る運動を大きくしたい」と決意を新たにしています。

「これで払える」喜びの声次々
 Aさん=クリーニング=は「今回の引き下げで、年間8万円下がったのでうれしい。売り上げが落ち、元に戻る見通しが立っていないので本当に良かった」と笑顔。
 Nさん=飲食=は「1年かかって払えなかったものが、滞納することなく払えるようになったので安心しました。保険証は使ってなくても、いざという時に医療にかかるためには国保をやめるわけにはいかないので助かります」と喜んでいます。

国保料、集団減免申請に25人 半減の成果も=神奈川・厚木

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厚木市役所へ集団減免申請し、国保料減免の手続きを行なう民商会員

 神奈川・厚木民商は6月28日、厚木市役所で集団減免申請を行い25人が参加。「民商に相談して助かった」の声が続々と上がっています。

申請制度を活用
 「本当に助かる。収入がない中、腰の手術でやりくりが大変だった。あきらめずに申請して良かった。仕事探しも頑張れる」と話すのは、Hさん=タイル工事。法定減額で2割減(均等割額・平等割額)での国保料納入が決定していましたが、市の申請減免条件を確認すると、該当し、より安くなることが判明。窓口で申請し、決定通知書が届きました。決定額は年4万1000円。8万1200円(2割軽減時)から約半額に引き下がりました(表2参照)。
 Iさん=自動車塗装=も、申請減免が適用され、法定2割軽減時よりも約3万円国保料が安くなりました。「法定軽減がかかっており、申請減免はできないと思っていた。国保料を少しでも安くできたのは民商のおかげだ」と喜んでいます。

表2 厚木市国民健康保険料減免取扱要綱
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保険証も手元に
 国保料を滞納し、保険証を取り上げられたNさん=左官=は、減免と同時に正規の保険証の発行を実現。保険証がないのは仕方がないと思っていた沼田さんですが、病気になった際に保険証の大切さを痛感。「病院に行けると思うだけで安心感がまったく違う」と話します。

運動が動かした
 申請前には、(1)国保料を引き下げること(2)滞納世帯に短期証や資格証明書ではなく、正規の保険証を発行すること(3)差し押さえなどの強制処分を行わないこと-など5項目を要請し、要望書を手渡しました。
 大倉茂利会長は「粘り強く交渉を続けてきた成果があった。イチかバチか申請してみようと始めた取り組みもここまできました。働いても全部税金へと消えていく状態はおかしい。今後も改善を求めて運動を進めます」と力を込めて語っています。

   
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