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  トップページ > 国保・年金のページ > 国保 > 全国商工新聞 第2840号 7月28日付
 
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福岡で国保料引き下げた力
事実を知った市民が勇気をもって行動に
福岡市中央区自治協議会等代表者会 原田陽次会長に聞く

 国保加入世帯の半数以上が値下げとなった福岡市。その大きな力となったのは、福岡市内の五つの民商も加盟する「国保をよくする福岡市の会」(よくする会)の運動と、これまで値上げを追認するだけだった福岡市国民健康保険運営協議会(運営協議会)の“引き下げ”答申でした。背景に何があったのか。同協議会の被保険者代表の一人である原田陽次・中央区自治協議会等代表者会会長に聞きました。

 福岡市の国保料は年間所得200万円(3人家族)で、介護保険料を含めた国保料は年額47万円。家賃を払い、食費を考えて国保料を払うと、もう生活そのものができなくなるわけです。200万円以下の人から、高給取りと同じように国保料を徴収するのは、いかんでしょう。下げなければいかん、というのが私の考えです。
  国保運営協議会(別注)は年度内に2〜3回開かれます。3回目となった今年1月の協議会では、被保険者の委員から、値上げ反対の意見が続出しました。
  「一般会計から国保会計にもっと繰り入れるべきだ」とか「ムダ使いの人工島開発の予算を削って、国保に回せ」という意見も出ました。
  確かに福岡市の国保財政は赤字です。徴収率を上げるための職員の活用やいろんな工夫が必要です。しかし同時に一般会計から予算を繰り入れて国保財源を増やし、払える国保料に引き下げる必要があります。
  福岡市の国保料が全国一高いことを知ったのは、市に働きかけて、いろんな資料を出させたからです。「よくする会」のビラや資料も全国の国保料の比較などのデータがあって参考になりました。
  全国一高いことや、一般会計からどれだけ繰り入れているのか、そういうことも他都市と比較することで、今回初めて知りました。それが私たちの判断材料になり、「引き下げよう」という意見としてまとまったわけです。
  今私は、自治会長などいろんな役をしていますが、「医療費が高い」「保険料が高い」とか、そういう声をよく聞きます。生活保護を受けたいという人も増えている。「物価高は何とかならんとですか」という声も多い。生活がきつくなっているわけです。
  今までの協議会は確かに市長の「国保料値上げの諮問」を追認するだけでした。市サイドよりの人物ばかりを選んでいたからじゃないですか。私は被保険者代表ですが、これは住民代表ということです。その立場で、協議会でも意見を言ってきました。
  協議会では、市も意見を言うし、協議会メンバーも意見を言うことが必要です。とくに被保険者の代表は、住民の実態を反映した意見を言わないといけないと、私は思っています。
  行政と協議会は「持ちつ持たれつ」でありながらも、押すところは押し、引くところは引いて、市民が納得できるような結論を出さないとだめです。
  そのためには、情報の公開が必要です。ガラス張りの市政にしないといけません。市長ももっとしっかりしてほしい。なあなあの議会では市政をチェックできません。
  市民も物を言う必要がある。上からのお達しに「ああそうですか」ではいかんとです。反発するところは反発せにゃいかん。そういう努力が、国保料を引き下げる力になったと思いますね。その意味で民商や「国保をよくする会」が署名運動をやったのは、大いに評価できますよ。

(別注)国保運営協議会
  国民健康保険事業の円滑な運営を図るために福岡市の条例に基づいて設置された機関。委員は20人(公益代表6人、療養担当代表6人、被保険者代表6人、被用者保険代表2人)。任期は2年。市長の諮問を受け、保険料や保険給付など重要な事項について検討し、答申を行う。福岡市では、20年以上にわたって国保料引き上げの諮問を追認、引き下げを答申したのは今回が初めて。
   
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