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スナック千夜一夜(1) コンビニに勝る店舗数

 スナック研究会代表で首都大学東京の谷口功一教授によるコラム「スナック千夜一夜」がスタートします(月2回掲載)。スナック研究からスナックの楽しさ、地域で果たしている役割、世界から見たスナックなどについて、執筆していただきます。

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スナックを学術的に研究した『日本の夜の公共圏 スナック研究序説』(谷口さん編)

 今回から日本中に星の数ほどある夜のスナックについての連載を始めることとなった。
 全国にスナックが何軒あるのか、正確なところは誰にも分からない。それにはいくつかの理由があるが、まずスナックとはそもそも何なのかについてハッキリとした定義がないからだ。
 2017年に刊行した拙著『日本の夜の公共圏 スナック研究序説』(白水社)の中でも詳しく触れたことではあるが、「スナックとは何か」ということは、それほど明らかなことではないのである。
 この本の中でも書いた通り、ほとんどのスナックは風営法上の「深夜酒類提供飲食店」として営業しているが、この区分の中にはバーなども含まれるため、スナックの定義としては使えない。
 また、キャバクラが存在しない街もあり、そのような地域では、看板に「スナック」と明記されていても、実際の営業は「風俗営業」の許可を取った上で正味のところ「ラウンジ」としての営業をしている店も少なからずある。
 そのようなわけでスナックにまつわる法(規制)上の観点からも、その定義は曖昧であり、また、そのために業界団体自体が存在しないことから、「公式」のスナックに関する統計などは存在しないのである。
 筆者は、NTTのタウンページに掲載されたデータを基に全国のスナックの軒数の概算を調べたことがあるが、15年時点では少なくとも10万軒超のスナックが日本には存在していた。
 経営者の高齢化その他の要因によって、現在、スナックの数は減りつつあるが、いまだに数万軒規模で存在する、堂々たる夜の業態がスナックなのである(少なくともコンビニよりは確実に多い)。
 このようなスナックについて、本連載では筆者自身が訪れた数百軒のさまざまな地域のスナックでの話も、とりどりに交えながら連載していきたいと考えている。
 これからしばしの間、お付き合い頂ければ幸いである。

全国商工新聞(2018年6月25日付)
 
   

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