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  トップページ > 経営のページ > 経営 > 全国商工新聞 第3261号4月24日付
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風営法問題 「接待」でスナックのママが逮捕され、21日間拘留、罰金50万円の異常

 風営法(風俗営業法)の許可を取らずにおしぼりを手渡すなどの接待をしたとして2月末、神戸市三宮でスナックを経営する民主商工会(民商)会員のママが警察にいきなり逮捕され、21日間の拘留、50万円の罰金を科されていたことが分かりました。会員の逮捕・罰金事例は札幌・ススキノ、京都でも起きており、風営法による逮捕・摘発は全国に広がる様相を見せています。

「窃盗より悪いのか」
 逮捕されたのは、神戸市中央区の三宮でスナックをオープンし3年目を迎えた50代のママ。同区内で、30年以上美容院を経営していましたが、売り上げが頭打ちとなったため、地域とのつながりを生かして、2014年7月にスナック経営を始めました。
 保健所から飲食店営業の許可を得て店をスタート。2周年を機に、ボックス席もある10坪の店に移転。サラリーマン客を中心に、平日は女性従業員2〜3人で店を回していました。
午後11時過ぎに20人余の警察官
 その店に、20人余の私服の警察官がいきなりなだれ込んできたのが2月23日。午後11時過ぎでした。名前を呼ばれたママは逮捕状を示され、手錠をかけられました。「風営法の許可とってないやろ。客の横に座ったらあかんのや」「おしぼりを手渡しても(接待基準)違反や」。人生初めての逮捕でした。
 店にいたお客の勘定をしたのも手錠をかけたまま。従業員も含め、写真を何枚も撮られました。自宅、美容室もその日のうちに家宅捜索され、売上帳、従業員の給与明細、お酒の領収書などを押収されました。その後、病院に連れていかれましたが、血圧を測るときになって、医者の前で手錠を外されました。
 連行された警察署では全身検査を受け、以来、21日間の取り調べが始まりました。午前、午後合わせ6時間。「なぜスナックを始めたのか」「なぜ風営法の許可を取らなかったのか」「ヤクザの出入りはあるのか」「客はどんな人間か」「従業員に売春させていないのか」「従業員はどんな人間か」「あんたがやったのはボックス営業だ」…。警察官が発した言葉でした。
 「私は、保健所の許可があれば、スナックは営業できると思っていたし、風営法のことも知らなかったんです」とママ。何度も警察に説明しましたが、「分かってくれなかった」と言います。
 押印を求められた調書にあ然としたこともありました。胸元が開いたドレスを着ていただけなのに「乳を出したエッチな服を着て…」などと書かれていました。「ママだけこんなことになって不公平と思わないか。同じようなことをしている店はないか」などと、‘密告’を奨励されました。
 検察官による取り調べでは、風営法違反は「窃盗より悪い」といわれました。
 従業員に対する取り調べも厳しいものでした。ブーツの中敷きまではがされた従業員もいます。「おしぼりの手渡し、水割りをつくる、カラオケを勧める、拍手も違反だ」「ママはもう店はできない。あんたやりたかったら、店をしたら。でもおしぼり手渡したら違反やで」といわれた従業員もいました。
 釈放されたのは3月16日。この日「店内に設置のボックス席において客に酒類を提供するとともに、客席に同席して談笑等の相手方をするなどの接待をして遊興飲食をさせ」たとして起訴され、50万円の罰金が科せられました。4月に入り営業停止処分も受けました。
数カ月尾行されおとり捜査員も
 ママは怒りをぶつけながら言います。
 「スナックを始めるときに保険所の許可を取ったけれど、風営法の許可が必要とは誰も教えてくれなかった。そのことを知らなかった、と何度警察に言っても、『ウソつき』と言われた。それに数カ月前から尾行され、おとり捜査員のような人物も店に出入りしていた。取り調べでは『スナックのママは信用していない』『水商売の人間は信用していない』などと何度も言われた。でも飲んでカラオケを歌って元気になってもらうことが私たちの仕事。それがそんなにいけないことか。私たちがやっていることは、窃盗より悪いのか。本当に許せない」

おしぼり手渡しも「接待」!?
兵庫県警の「確認書」

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 風営法は「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」を風俗営業の「接待」とし、同法の許可を取らずに接待することは、風営法違反に当たるとしています。「接待」とは何か、を定めたのが、警察庁の「解釈運用基準」です。法律ではありません。
 運用基準は「接待」について(1)談笑やお酌をする(2)ショーを見せる(3)カラオケでデュエットする。客の歌に手拍子をとり拍手する(4)ダンスをさせる-などとしています。
 兵庫県警にいたっては、「飲食店営業を営まれる方へ」と記した「確認書」で「客のボックス席に同席(補助席を含む)或はカウンター席で客の横に座り、客に対して談笑する、酒を注ぐ、たばこに火をつける、おしぼりを手渡す、カラオケでデュエットする、遊戯やゲームを行う、客の手を握ったり身体を密着させるなどの身体接触、飲食物を口元に差し出して飲食させる行為等は接待行為」と明記。おしぼりを手渡すことや、たばこに火をつけることも「接待行為」としています。
 また同県警は、こうした行為を事業者が「理解した」かどうかを確認するチェック欄をつくり、スナック経営者らに確認していることも明らかになっています。

全国商工新聞(2017年4月24日付)
 
   

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