若手開業者に魅力発信 経営フォーラムに100人=東京都内4民商 起業家応援実行委
生き残れる個人店とは
経営や店づくりのヒントを求め、会内外から100人が参加した、経営セミナー
「個人経営の魅力って何だろう」「お客さんに大事にされる店とは」-。2月11日、新宿・ワシントンホテルで開かれた「経営セミナー」。新宿駅にある「ビア&カフェ ベルク」の井野朋也店長と迫川尚子副店長が、自身の経験や経営の極意をレクチャーしました。東京・渋谷、新宿、中野、杉並民主商工会(民商)でつくる起業家応援実行委員会が開催したもので、会内外から100人が集まりました。
会場では、福島の日本酒やクロアチアのワイン、黒パン、ローストビーフなどベルク自慢の品々が振る舞われました。
井野さんは「食の職人さんと協力し、安心でおいしいメニュー開発」「一人一人が判断でき、店長の意識をもてるスタッフの教育」「女性一人でも気軽に入れる雰囲気作りとセルフ方式の高い回転率」などの工夫で「早い・安い・うまい」を実現してきたことを説明。「立ち退き問題があった時、スタッフ、業者、お客のつながりで乗り越えた。個人店は横でつながっていくしか、今の経済の荒波を超えていく方法はない」と強調しました。「ベルクとは何か」と自分にも客にも問い続け、「ベルク通信」として発行。94年5月より店頭で配布していると紹介しました。
会場からは「メニュー開発や店づくりなど個人店だからこその喜びが分かった」(フランチャイズ経営者)、「損益分岐点はどのくらいか」(飲食店経営者)など具体的な質問や意見が相次ぎました。
川崎市から参加したMさんは「将来、働く人が気軽に飲め、ベルクのように街になじむ店をつくりたいと思っている。店づくりに自信がなかったが、『自分の感性を大切にすれば、それに共感してくれる人が集まる』とアドバイスを受け、少し見通しができた」と話していました。
経営セミナーは、経済センサスを基に、「飲食業をこの地域の地場産業の一つとして考え、若手の飲食開業者に魅力ある企画をしよう」と昨年11月から準備を開始したもの。SNSや店頭チラシなどで広く呼び掛けました。
全国商工新聞(2016年3月7日付) |