風営法からダンス規制撤廃を クラブオーナー、ダンサーらが討論集会
各界から80人が集い風営法のダンス規制について理解を深めたイベント
風俗営業法(風営法)からダンス規制条項の撤廃を求めるトークイベントが9月12日、東京・渋谷区内で開催されました。撤廃を求め署名を集めている「レッツダンス署名推進委員会」が主催したもので、クラブ経営者、ダンサー、音楽ライター、弁護士、国会議員など80人が参加。ダンスシーンをとりまく現状について活発な議論をかわしました。
営業停止のクラブも
風営法に基づくクラブの摘発がクローズアップされたのはここ数年。これまで深夜まで営業していても取り締まりを受けることのなかったクラブに対し、警察が同法を根拠に摘発を強化。この2年ほどで関西を中心に約20店が摘発され、営業停止に追い込まれる店も出ています。
法規定あいまい恣意的な捜査も
トークでは、規制の現状とともに、その背景、風営法改正のための方向性などについて議論。クラブ経営者の一人は「客を踊らせた」ことを理由に摘発されている現状について「風営法の規定があいまい。大雑把に規制されている」と批判。音楽ライターの磯部涼さんは「規制はクラブだけの問題ではない。海の家、ダンススクール、野外フェスなどにも共通する問題」と提起しました。西川研一弁護士は「近隣に迷惑がかかるというのなら、暴力や騒音で取り締まることもできる」とし、ダンスを口実にした警察の恣意的な捜査を批判しました。
中学の必修科目なぜ取り締まる
ダンスを規制する一方で、中学校でダンスを必修科目としていることについて、ダンススタジオを経営する宮田健男さんは「学校で習うのに社会で踊ってはいけないとはナンセンス」と話しました。
ダンス人口が増えることを見据えたクラブ経営のあり方や国会議員に理解を広げていく活動などについても議論が交わされました。
イベントの主催メンバーで元クラブ経営者の金光正年さんは「署名は7万人分集まっています。目標の10万人をめざしてこれからもイベントを続けていきたい」と語りました。
イベントに参加した明田川桜子さん=ダンス教室アシスタント=は「このまま規制が続くとダンスを楽しむ人を苦しめてしまう。これからも署名を集め、風営法からダンス規制を撤廃させたい」と話していました。
全国商工新聞(2012年10月1日付)
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