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  トップページ > 経営のページ > 異業種交流 > 全国商工新聞 第2902号 11月9日付
 
経営 異業種交流
 

中小業者の生きる道=東京・玉川民商の連続講座


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30年以上続けている玉川民商の連続講座

 東京・玉川民主商工会(民商)の連続講座「中小業者の生きる道」が大好評です。30年以上、毎年開いているもので、商売を発展させる活力になっています。今回のテーマは「つくりだした変化を商売に生かそう」。新政権が誕生し、要求実現の可能性が広がる中で、中小業者として生きぬく力をさらに培おうというもの。大好きな商売を続けるために、融資獲得や差し押さえを解除させた経験などを報告し合いました。
 連続講座は、秋の運動の時期に開いており、今年は9月2日から10月5日まで5回にわたって開催(別表)。毎回30人ほど、延べ127人が参加しました。

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専門家は呼ばず、自分たちが講師
 専門家の講師を呼ぶのではなく、民商の仲間が“先生”です。困難に立ち向かって商売に頑張る会員が生きいきと報告しました。討論では話が膨らみ、テーマから外れることもたびたびでしたが、そこが魅力の一つ。ヒントを見つける場にもなっています。
 好評だったのが「地域の“顔”として力を発揮しよう」の講座。3人の会員が商売を続けるため、融資を獲得した経験や銀行とのたたかいを語りました。人前で報告するのは3人とも初めて。ハラハラドキドキしながらも、胸を張って自分で書いた文章を読み上げました。

実務面で夫の商売を支える
 Aさん=内装=は昨年12月に350万円の緊急融資を実現し、「民商の仲間は私の強い味方」と元気に発言しました。
 商売が好きな夫の力になろうと派遣社員を辞め、記帳や税金の支払い、融資の手続きなど実務を担い、事業を支えています。
 「夫は税金の支払いや銀行に電話をかけることも私に押しつける。私から言わせると『あんたの頑張りが足りないから、いつまでも大変なんだよ』と心の底では思っている。でも、仕事はまじめで子どもたちにはやさしいし、『まあ、よし』として、これからも支えていきたい」と本音を語るAさん。笑いと拍手が起きました。

自宅の競売にも仲間とたたかう
 Bさん=音楽関連=は長男(小1)を連れて参加。経営難に陥り、みずほ銀行から自宅を競売にかけられ、仲間とたたかっています。
 「今月いっぱいで出て行って下さいと言われないか、いまも不安でいっぱい。でも、メガバンクには負けない」と決意を語りました。

たたかうために勉強し強くなる
 Cさん=仏具=は家業を継いだ2世。02年に不渡り手形を出しましたが、今も元気に商売を続けています。みずほ銀行から差し押さえはもちろん、自宅も競売にかけられましたが、交渉し、はね返しています。「いまだに借金を抱え、いつまた競売にかけられるか毎日が不安だけど、払えないものは払えない。たたかうために勉強しなくちゃいけないし、自分が強くならなければいけない」と話す前向きなCさんの姿に共感が広がりました。Cさんが講座に誘った青年が民商に入会しました。
 今回の講座では「つくりだした変化」についての発言が多かったのも特徴です。
 「変化と税の負担は?」に参加したDさん=宣伝=は「ゼロ金利融資の実現とその活用をつくり出し、民主党のマニフェストの中に中小企業施策を盛り込ませたのも変化だと思う。その変化を商売に生かしていくことが大事」と発言しました。
 Dさんは昨年、取引先が倒産して1000万円の売掛金が回収できず1年以上、仕事がない状況です。融資を実現するために区と何度も交渉しています。
 世田谷区内ではこの間、地域の顔として大好きな商売を続けてきた八百屋、魚屋、畳屋、左官屋などが廃業に追い込まれ、区の資料でも「1日1軒以上の廃業」との結果が出ています。こうした中でここ4、5年は「大好きな商売を続けるために」を合言葉に連続講座を開いてきました。
 会長は「連続講座は民商の誇れる歴史。初めは専門家を呼んで開いていたけど、役員や会員が講師になって講座を開くようになって、参加者の意識が高まり、団結も深まった。誘われて参加した青年が民商に入会し、案内チラシを見て参加した会外業者が読者になるなど仲間も増えている。内容をさらに豊かにして今後も続けたい」と話しています。


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