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異業種交流
商売交流で仕事に誇りと確信
 各地で開かれている「商売を語る会」や「経営塾」が好評です。商売について熱心に語り合うなかで、仕事への誇りと確信を深めています。とりくみを紹介します。
参考になる話が聞けた
宮城・古川民商 「経営・生活塾」が好評
古川民商の経営・生活塾では商売について熱心に語り合いました
 宮城・古川民主商工会(民商)は9月16日、「経営・生活塾」を開き、22人が参加。テーマごとに6回に分けて開いており、2回目のこの日のテーマは「『勝ち組』に負けるな!」。3人の会員が商売の奮闘ぶりを報告しました。
 五十嵐義勝会長=建築塗装=は「屋根の上から仕事が見える」をテーマに報告。「屋根に上ると庭や屋敷の中が見え、ここを直したらどうかなど提案し、庭の植木の芯止めや畳替え、クロスの張り替えなどの仕事を受注している」と話していました。早速、その場で参加者から仕事の注文が入りました。
 佐々木孝副会長=土木工事=のテーマは「現場を3回見て、赤字工事から利益を生み出す」。普通の工事だと単価がたたかれ利益が出ないが、山の上など難しい現場の仕事を積極的に請け負っているとの話。「難しい現場は一見すると赤字が出そうに見えるが、逆に元請は大変さを理解してくれ、単価をたたかないから、利益も出せる。現場は3回見て、利益が出るかどうかの判断を見極めることが大切」と強調しました。
 及川清さん=自動車電装・工業用ロボット機械修理=は「老人にも夢がある! 10年間温めた研究の成果」を報告。「女性たちが生活のなかからちょっとしたヒントを得て試作品化し、特許を取っている」ように、及川さんは10年間かけて過去に類のない発電体を開発しました。現在、特許を申請中です。
 「今後も発明を重ね、夢を持ちながら頑張りたい」と抱負を語っていました。
 参加者からは「うちは農業だから関係ないと思っていたが、参考になる話が聞けた」「これからも毎回、来たい」「みんなの情熱にはびっくり」などの声が聞かれ、報告の後も熱心に商売について語り合っていました。
 これまで民商では経営についてとりくみを強めたいと考えていましたが、商工新聞で紹介されている全国の「商売を語る会」などの記事を読んでも役員や事務局のなかでは、「うちの民商で開いてもどうせ、集まらない」と消極的になっていました。
 本腰を入れてとりくむことになったのは、地元銀行の行員から「民商って、どんなことしているんですか?」と尋ねられたことからです。「税金の相談、融資の相談、多重債務の解決、自冶体との交渉、経営セミナー…」と答えたものの「セミナー! いいですね。どんなセミナー?」と聞かれても、自信をもって答えることはできませんでした。
 そこで、三役会で「魅力ある民商活動とはなにか」「今求められているものは」と議論し、経営塾を開くことを決め、常任理事会に提起しました。「経営塾」の開催は積極的に受け止められ、その場で6回のテーマと順番を決め、早速、年間予定表を入れたチラシを作って商工新聞に折り込み、集金時にも参加を呼びかけました。民商に顔を出したことのない会員からも参加についての問い合わせがあり、要求の強さを実感しました。
 次回のテーマは「お金をかけない設備投資」。11月に開く予定にしています。
みんなの話で元気出た
東京・蒲田民商 製造業者の商売を語る会
厳しい中でも頑張っている報告に励まされた蒲田民商の「商売を語る会」
 東京・蒲田民主商工会(民商)は9月16日、工業部会が中心となって大田区生活センターで「製造業者の商売を語る会」を開き、24人が参加しました。
 報告者のトップバッターは梅原光男工業部長(65)=機械加工=。「静岡県から昭和32年に上京し、治工具を作る会社に入社。ちょうど映画『3丁目の夕日』と同じような時期で1台の機械に4人がつき、『先輩の仕事を見て覚えろ』とたたき込まれた」と当時の様子を語ってくれました。現在は息子が仕事を継いでいますが、小ロット多品種で納期が短い状況で丁寧に教えられないのが悩み。「後継者育成を何とかしたい」と考えています。
 2番目は池田清前会長(75)=機械加工=「今はインターネットで情報を集められるが情報の提供者になることが大事。得意先や外注先からも、異業種の仕事や特殊材料、特殊技術の照会に応えていくこと。直接仕事に関係ない情報でも提供していると仕事になることもある」と強調しました。
 7月から工場で働き始めた孫(女性)に技術を教えています。「今の機械は女性でもできるようになっているが、行政の支援があればと思っている」と話していました。
 最後は二木和雄さん(55)=板金加工=2代目です。「信用を得るため、夜中の1時、2時まで仕事するのは当たり前の時期もあった。人が1時間かかる仕事を半分の時間でやる工夫を常に考えている。ここに頼めば何とかなると言われるように頑張った。多くの得意先を持ち、対等の立場で仕事を請ける。板金加工だけの仕事は減っているが、機械加工も一緒にという注文が増え、技術を覚えた」と報告。参加者に勇気を与えました。
 参加者からは「60歳になったが、外注の社長はみんな年上で後継者もいない。今は旋盤だけという注文はなく板金、研磨、溶接などまとめる仕事が多くなり、ネットワークが不可欠」「息子が後を継ぐと言ってくれたが、教えながら給料を払えない」「みんなの頑張っている話が聞けて元気が出た。また、やってほしい」などの発言がありました。
 製造業の仕事が回復していると言われていますが、大田区内の町工場は原油や材料の高騰と中国並みの単価が当たり前という状況で工場の減少が続いているのが現状。
 今回の企画は工業部会が元気に商売を続ける展望を聞こうと話し合い、毎日悩みながら商売をしている仲間の話を聞こうと計画したものです。
 日本共産党のかち佳代子都議や金子悦子区議も参加し「皆さんの話を参考に行政にも働きかけたい」と話していました。
 
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