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異業種交流
多彩な催し 技と力をアピール
東京・八王子民商 商工まつりに800人
 「住みよいまちは中小業者が栄えるまち」‐‐。東京・八王子民主商工会(民商)は1月15日、初めて「みんしょう商工まつり」(主催・実行委員会)を市民会館で開きました。800人が参加。デイスカッション、匠の技、茶道や花道、メークの実演、食材の見分け方、寒ブリのさばきなど多彩な催しを企画。会場の設営から照明、美術まですべて会員がコーディネートし、「自らが変わろう」を合言葉に、中小業者の技と力を存分にアピールしました。

 商工まつりは交流、匠、和、食の四つのコーナーが設けられ、当日の模様は、地元のケーブルテレビで6回ほど放映されました。初のメディアデビューに「民商はすごいことやったんだね」と確信はさらに広がりました。

「産・官・学・金」連携のとりくみ
 八王子市や地元の信用金庫、大学から協力を得たことがとりくみを大きくさせました。「産・官・学・金」の連携です。事前の宣伝はもちろん「交流のつどい」では八王子市産業振興部の大熊誠部長、明星大学の坂本秀夫教授、多摩信用金庫の石垣圭一常勤理事がパネリストを務め、参加者と活発な討論を繰り広げました。

ハーレー専門のカスタムショップ「テイスト」参加者の関心が集まりました
さまざまな業種多くの人たちに
 実行委員会が今回、特に力を入れたのは、中小業者が持っている技術を多くの人に知ってもらうことでした。製品展示のため、事前に会員の仕事場を訪問してビデオカメラで撮影した実行委員は「こうした人たちをつぶしてはいけない」ことをあらためて実感しました。
 「匠のつどい」では実行委員会が自信をもって推薦する23社の製品展示や実演を披露。目を引いたのは、ハーレー専門のカスタムショップ「テイスト」です。1930年代のクラシックなハーレーから21世紀の最新型モデルまでがズラリと勢ぞろい。なかにはビートたけしさんが注文したハーレーもあります。
 ハーレーの原型、素材を生かしながらオーダーメードし、その技術は業界でも広く知られ、専門雑誌にも数多く取り上げられています。代表の河内山智さん(48)は「こうしたショップが、八王子にあることを知ってほしかった。町工場を経営している会員との交流の方が新鮮。そこらにある材料で部品をつくってくれて、中小業者の技術はすごい」と仲間との連携をすすめています。
特殊な技術が光る内田刺繍工芸。参加者との対話も弾みます
 内田刺繍工芸は特殊技術でJリーガーやプロ野球選手などのスポーツウエアにネームを入れたり、チームのワッペンなどをつくっています。2代目の内田公祐さん(30)さんは「手振りでもコンピューターミシンでも、なんでもできるのがうちの売り。もちろん個人からの注文もOK」と自信を持って話します。この日は母・千賀子さん(53)が先着60人にハンカチにネームを刺繍、参加者に喜ばれました。
 (株)原建設は国内産木材や漆喰など自然素材を使った家づくりを紹介。代表取締役の原善行さん(50)は「日本住宅は25年前後で建て替えられるけど、100年以上住める家づくりこそが大切。設計には時間をかかえて廃材が土に戻るように自然素材で作ることが一番」と言います。技術を継承させるため、若手職人の育成にも力を入れ、子どもたちの木工教室も開いています。
 雰囲気はガラッと変わって「和のつどい」では着物姿の女性たちがとても華やかです。和室に緋毛せん(赤い布)や茶道具、掛け軸を持ち込み、本格的なお茶会と生け花を楽しんでいました。
 「食のつどい」で披露されたのは寒ブリのおろし。塩谷浩章さん(55)が1メートルほどの寒ブリを見事な手さばきで刺し身にし、おみやげとして手渡しました。
 実行委員長の小熊正造副会長(65)は「状況が厳しいだけに町全体が閉塞感に襲われ、風穴を開けたかった。今回、中小業者の存在を多くの人たちに知ってもらうことができた。社会を変えるための大きな一歩。これを力に春の運動でも前進したい」と話していました。
 
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