全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 業種のページ > 製造・小売 > 全国商工新聞 第2852号 10月27日付
 
業種 製造・小売
 
シリーズ 負けてたまるか高騰対策C
 自主計算を力に価格転嫁の交渉に説得力
 単価計算の正確さがカギ


 岸和田市の山手に370坪の敷地を構える旭金属工業所。Aさんは妻と長男の3人で、大手メーカーの孫請け(得意先は1社)として、NC旋盤8台で農機具部品などを製造しています。
 今の工場を購入したのは、11年前。「長男が小6になった時、作文で『うちを継ぐ』って書いたのを読んで、胸が打たれてね、それこそ頑張ってやりましたよ」と振り返ります。

ややこしい加工も断らない
  経営に影を落としているのが原油高騰による資材の値上げです。4月に鋼材がキロ22円、その1カ月後にまた15円と、一気に37円も上がりました。
  Aさんは値上げに流されるのではなく、今回の高騰をきっかけに親会社と価格転嫁について交渉。また、仕入先2件とは「全部は無理」でしたが、500キロ、1トン単位のまとめ買いで5円引きに。これで高騰37円分のうちAさんの負担はキロ4円に抑えることができました。
  こうした交渉ができたのもこれまで培ってきた親会社との「信頼関係」。その理由は大きく二つあります。
  一つは仕事での信頼です。
  親会社とは25年の付き合いで、20年前から続く単価の安い商品も「正確にキチンと納入していること」。また、計算がややこしくよそでは敬遠される加工(例えば球面と平面を削ると同時にエッジを取るなど)も「請けた仕事は断らない」を信条に挑戦。三角関数などを独学し、エクセルで自ら計算式を作成して、幅広く手がけています。

部品ごとに単価を算出 ここが運命の分かれ道
  信頼のもう一つは、自主計算に基づく正確な単価計算です。
  これもエクセルで独自の計算式を作成。鋼材の種類によりキロ単価・径・長さ、加工時間、加工時間単価(ここに自家労賃を含めている)を入力することで、種類ごとに単価を算出します。「一見同じような部品でも、何であっちが安くてこっちは高いねん!となる。そんな見積りは、気持ち次第で何ぼでも変わるもんですわ」
  元請けの言いなりになるか、逆に信頼されるか‐。「当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、正確な単価計算をできるかどうかが、信頼をかちとる分かれ道なんですよ」とAさんはいいます。
  それでも「今の政治は異常」というAさん。「資材の高騰にもいっさい手を打たない。今は商売は順調やけど、これ以上不況になれば一体どうなるのか。国民に見えない、訳が分からない政治をやめてほしい」と語ります。
 
   
  ページの先頭