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  トップページ > 業種のページ > 料理・飲食 > 全国商工新聞 第2854号 11月10日付
 
料理・飲食
 
シリーズ 負けてたまるか高騰対策(5)
材料費の値動きを計算し値上げにひと工夫


 Sさんが営む総菜屋は3代続く創業50年以上の老舗。同店がある平野本町通商店街は、最盛期は百数店舗でしたがスーパーなどの進出で現在は50店舗ほどに減少しています。

「今夜は一品減らそか?」-総菜屋の悩み
 調理に使うサラダ油は、材料代の高騰で昨年8月の2000円が、今年8月には4200円と倍以上に。今年の初め600円だった鳥肉も、現在は1150円に値上りしています。
 「何もかもがいっせいに値上げ。しかも、すべてが倍以上」という経験のない事態。Sさんは「これでは、値上げに踏みきらざるを得ない」と決断します。
 しかし、Sさんは、買い物を抑えようとする消費者の意識と動向を、毎日の売り上げを書き込んでいる自主計算書を通じて敏感に感じていました。
 「半分に目方を減らす」「1品減らして買っていく」。帳面にそのことが数字として表れています。「お客の消費が落ち込んでいるなかで全品いっせい値上げはできない」。Sさんの判断でした。

自主計算で高騰額を把握
 週1回のペースで市場から食材を仕入れているSさん。値上げの傾向が見え始めた昨年10月から値上げのタイミング見計らいながら、仕入れにいくらかかったか計算し、高騰額の推移を把握しました。そして4月、材料代の動きを見ながら、ヒジキやエビ豆など人気商品の値段は据え置き、それ以外の品を値上げすることにしたのです。
 値上げ額も、お客さんと店とが半々の負担になるようにしました。店がいくらまで負担できるのか計算し、220円に値上げしたい200円のサラダも、せめてお客さんと店とで負担が半々になるように210円に抑えました。
 値上げについて、常連さんも「仕方ない」と納得しています。しかし、日々の帳面を見れば影響がないとは言い切れません。「人気商品のエビ豆も、大豆が値上りすれば分からない…」とSさん。
 「政治家は国民の生活を守るのが仕事。しっかり対策を立ててほしい」と力を込めました。
   
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