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料理飲食
歩いていける店、安心して飲める店です
忘年会は料飲マップでおまかせ
愛知・尾北民商宮田草井支部 工夫と知恵でアピール
 年の瀬です。忘年会がそろそろ始まるころ、料飲店が忙しくなる時期です。ところが今年は飲酒運転や駐車禁止の取り締まりなどで、お客さんの出足がはかばかしくないという声が出ています。愛知・尾北民主商工会(民商)では、お客さんに「歩いていける店」「安心して飲める店」をキャッチフレーズにマップを作成。料飲業の仲間が工夫と知恵を出し合い、年末を乗り切ろうと張り切っています。

居酒屋の田口さんにマップをすすめる民商の役員。右端が支部長の須賀洋二さん
 宮田草井支部は、愛知県江南市の北部をエリアとした支部です。支部の料飲業者は30人。なんとか集客の努力をしている料飲業界ですが、警察による飲酒運転や駐車禁止の取り締まりが強化されるなかで、どこも売り上げが落ち込み、廃業する店さえ出てきています。
 この地域は路線バスなど公共交通機関はほとんどなく、最寄り駅まで歩いて20〜30分もかかるため、車は暮らしの足。消費者にとってもどうしたら安心して飲めるかが切実な問題にもなっていました。

このままじゃだめだと話し合い
 10月12日の支部役員会では飲食店の会員から次つぎと「あの人が、もう店を閉めようって言ってた」「あそこのおやじさんは『客が半分以上減った』って言ってたなあ」「遠くのお客さんが来なくなったね」などの声が出されていると話題になりました。
 「支部でできることはないか」「このままじゃだめだ」と話し合うなかで、「改めて近所の人たちにも目を向け、『歩いて行ける店』をアピールしたらどうか」との意見が出されました。「飲みたくて近所の店を探しているんじゃないか」「きっとうずうずしているね」と、「呑み助」の気持ちになって話し合いました。
 出された案が、「歩いて行ける店」「安心して飲める店」をキャッチフレーズに、地域に密着した民商の店の魅力をアピールする宣伝。すぐ料飲マップを作成することになり、飲食業の会員に、マップ作りへの参加を呼びかけようと、役員が地域の料飲店を訪問。改めて飲食業の会員の実態が明らかになり、民商への期待も出されました。
 江南市で居酒屋「呑み処 いい・かげん」を営む、田口久美子さん(56)は「飲酒運転の取り締まりが強まってから店の売り上げが激減している。遠くから来ていたお客さんが減っているのは確か。でも、飲酒運転はマナーなので守ってほしい。お客さんに近所に目を向けてほしいと宣伝するなんて、ちょっといいかも」と「料飲マップ」への期待を語ってくれました。
 マップは支部の印刷業の深尾勝英さん(66)の奮闘で11月に完成。早速、飲食業の会員が自分の店の周りの住宅に配布しています。

新聞に折り込み
 支部としても地元新聞に7800枚を折り込み、団地やアパート、マンションなどへも配布するなど活用を計画しています。
 会員からは「いいものができたね」と反応も上々で、居酒屋「あんたが大将」のマスター・須賀晴美さん(59)は「みんなの知恵で、素晴らしいマップができた。こういうときだからこそ、会員同士がお互いに助け合って乗り切りたい」と話します。
 須賀さんは2店舗目を駅近くに出店したばかり。「気軽に来てもらえる場所ならやはり駅の近くだと思って。気持ちが安らぐくつろぎ処として楽しんでいただけるお店にと、家族で頑張っている」と元気に話しています。
 支部長の須賀洋二さん(58)=建築業=は「飲食店の実態が明らかになるにつれ、今こそ民商の存在意義が問われていると感じた。支部としてできることをやり、みんなで一緒に商売を前進させたい。これからは年末年始の忘年会・新年会シーズン。ぜひマップを活用できるようにしたい」と意気込みを見せています。
 
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