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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第2969号 4月 4日付
 
 

東日本大震災 駆けつける救援隊

 東日本大震災は死者・行方不明者3万人を超え、いまだに被害の全容は明らかになっていません。東北地方の新幹線や道路は寸断され、被災者にはガソリン・灯油、食料など必要な物資が十分に届いていないのが現状です。被災地の民主商工会(民商)は、安否確認と救援活動に総力を挙げて奮闘。希望を持って生きようと励ましています。岩手県内の現状を取材しました。

「助かった」と涙の再会=岩手

岩手県の地図

大被害の宮古市
 10メートルを超える津波と火災により、中心街が壊滅した山田町。原形をとどめる物は何ひとつありません。
 「まだ使える調理器具がないか、ガレキの中を探しに来た」と話す男性に会いました。宮古民商の大杉繁雄さん=飲食=の次男でした。繁雄さんは体調を崩し避難所にいるといいます。「揺れが大きかったので、すぐに逃げた。20分後に津波に襲われ、押し寄せるガレキの山から必死に逃げた知り合いもいる。電気はなく、お風呂に1週間入っていない。ガソリンとストーブが欲しい」と訴えました。木村恒夫民商会長=中古車販売=は民商対策本部を立ち上げたことを伝え、「力を合わせて乗り越えよう。何かあれば相談してほしい」と呼びかけました。
 10カ所以上の集落が壊滅し、1700人が行方不明となっている宮古市。JR宮古駅近くの商店街も津波にさらわれました。

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乾電池とろうそくなどの救援物資が届けられ「助かった」と喜ぶ岩手県宮古市の八木一雄さん(中央)
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甚大な被害を受けた岩手県山田町で回収作業をする大杉さん(左)から話を聞く藤沢県連会長(一番右)と宮古民商の木村会長(その左)

無事を喜び合い
 商店街で洋服店を営んでいた八木一雄さんは、1階部分に水が押し寄せ、市職員から「津波だ!逃げろ!」と言われて避難。家族全員が無事でした。
 同じ商店街で民商会員の大森進さん=ネットサービス=や坂下豊県連事務局員らと再会し、無事を喜び合いました。乾電池とろうそくを手渡すと「助かった」と涙を流しました。「開業して50年。しかし店を再開するのは…借金の返済もどうなるのか」と言葉を詰まらせました。
 会員の佐々木弘治さん=鮮魚=は店舗が泥だらけに。家族と親戚で掃除をしていました。「集団申告後、家に駆けつけ、車いすの母を連れて車で避難。堤防の上を水が乗り越え危機一髪だった。今後は店舗は無理でも、サケとマツタケを販売したい」と、震災に負けない思いを語りました。

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無事を喜び合う胆江民商の千葉会長(左)と陸前高田民商の佐藤会長(胆江・永山哲通信員)
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リンゴや衣類などの救援物資を運び出す盛岡民商の救援隊(右が上閉伊民商の及川会長)

物資を届けて
 救援物資や義援金を届け、被災者を励ます取り組みが始まっています。
 岩手県連の藤沢光一会長は3月17日、復旧したばかりのバスに乗り込み、宮古民商を訪問。両手いっぱいの救援物資と義援金を手渡しました。また、花巻民商は18日、お米や衣類などワゴン車いっぱいの救援物資を3時間かけて届けました。
 人の出入りが増えた宮古民商に活気と笑顔が戻ります。「いつまでもくよくよしていられない。立ち上がろう!」と木村会長と木村明事務局長は、みんなを励ましています。
 岩手・胆江民商は17日、甚大な被害を受けた大船渡民商と陸前高田民商に、食料、衣料品、日用品など大型ワゴン車2台分の救援物資を届けました。
 雪が降る中、千葉敦会長を先頭に6人が車に物資を積み込み、大船渡民商に到着。事務局員は全員無事で事務所も無傷でした。しかし消息のつかめた会員は全体の2割に満たない状況。安否確認に全力を挙げています。

消息不明も多数
 また、陸前高田市では前市長で元民商事務局長の中里長門さんと佐藤吉郎民商会長を訪問。佐藤会長は涙ながらに感謝の言葉を述べていました。
 民商事務所が津波で流され、2人の事務局員は依然消息不明。民商会員の安否確認も10人足らずという状況を伝え、さらなる支援を要請しました。
 盛岡民商は19日、リンゴや衣類などをいっぱい積んだ宣伝カーで約7600人が避難している釜石市へ。途中で上閉伊民商の及川一男会長と合流しました。民商事務所は被災し、事務局員も消息不明のままで、会員の安否確認も半分に至っていません。救援物資は日本共産党の東部地区委員会へ届けました。
 避難所訪問には役員の岩間正明さん=美容=も合流。元会長の佐藤恵蔵さんを探し出しました。佐藤さんは体調を崩し病院に行っていましたが、家族と再会。佐藤さんの妻は「主人は人を助けようとして津波に襲われ、30分間くらい波にのまれて奇跡的に岸に流れ着いた」と、気丈に状況を説明しました。

希望捨てないで
 及川会長らは「今は苦しくても、あなたたちは一人ではない。全国の仲間が支援の手を差し伸べている。希望を捨てないでほしい」と励ましました。

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岩手県連の藤沢会長から激励カンパを受け取る岩手・宮古民商の木村会長(左)。岩手県連は県内の民商に募金を呼びかけ、被災地の民商に届けた。
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避難所で会員の安否を尋ねる岩手・上閉伊民商の及川会長(中央)。被災地ではいまだ22万人が避難している。燃料も乏しく、夜はグッと冷える。

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安否確認の会員訪問で無事を確認。再会を喜ぶ(宮古市)。被災地では電話も通じず安否を気遣うばかりの毎日が続いている。
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津波にすべて破壊された岩手・上閉伊民商の跡地。同陸前高田、宮城・塩釜の3民商の事務所が壊滅。依然連絡がつかない会員や事務局員も多い。

被災地民商へ支援を


 救援・激励カンパ
 募金をお願いします。募金は、激甚災害地域の民商を通じて被災中小業者に届けるとともに、被災地の自治体を通じて被災者全体の支援に活用します。

振込先口座
りそな銀行目白出張所 普通 1236859(店番314)
全商連災害対策本部 本部長 国分 稔(コクブン ミノル)


 物資支援
 ガソリン事情が改善されるとともに、岩手、宮城、福島の各県連合会の物資受け入れ態勢がととのいました。以下の要領で支援をお願いします。

送り先
■岩手県連(直接搬入・宅配便とも)
大船渡民主商工会
 〒022-0003
 大船渡市盛町字御山下10-6
 電話:0192-26-4817
(陸前高田民商宛も大船渡へ)

宮古民主商工会
 〒027-0073 宮古市緑が丘3-31
 電話:0193-63-1346

上閉伊民主商工会
 〒028-0481 遠野市小友町20-2-2 及川一男方
 電話:0198-68-2303

連絡先(岩手県連)
電話:019-606-3130
ファックス:03-:019-606-3129

■宮城県連(直接搬入・宅配便とも)
宮城県商工団体連合会
 〒981-0911
 仙台市青葉区代原3-18-6

連絡先(宮城県連)
電話:022-727-9701
ファックス:03-:022-718-4081

■福島県連(直接搬入のみ)

福島県商工団体連合会物資センター
 〒960-1108
 福島市成川字石田71 JA福島南支店気付
 (福島西インターからすぐ)
 現地には常駐体制がありません。事前に到着日・到着予定時間を連絡してください。

連絡先(福島県連)
電話:024-533-5524
ファックス:03-:024-533-7421

  • ※事前に送付先の県連に「支援物資のリスト」で搬入日、搬入方法などの予定を送ってください。
    直接民商へ搬送をお願いする場合もあります。
  • ※宅配便は、送り先への配送ができず現地の営業所留め置きになる場合があります。必ず現地県連と連絡を取り、その指示にしたがってください。

全国商工新聞(2011年4月4日付)
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